ごあいさつ

JTB総合研究所 代表取締役社長の野澤 肇からのごあいさつです。

野澤 肇

未来志向かつグローバルな視点で、豊かな暮らしと豊かな地域の実現へ

国境を超えて旅行をする人々の数(国際観光客到着者数)は12億人に迫り、ツーリズム産業の波及効果による雇用創出の割合は10%近くに達しています。世界は今、政治、経済、環境、思想、テクノロジーと多様な概念が複雑に絡み合い、先行きは不透明です。しかしながら、国や地域間の時間的、心理的距離は縮まり、交流人口は今後も停滞することなく増加し続けると考えられます。その中でアジアは最も高い成長を維持し、日本はインバウンドの伸長において、まさにその成長の中にいるといえます。

政府はこのほど2020年までに4000万人の訪日外国人旅行者を呼び込み、8兆円の消費を生むという目標を設定しました。これはツーリズムの課題が経済の課題そのものになり、これまでの延長線ではない全く別の‘新しいツーリズム産業’が誕生しつつあると認識すべき時期なのでしょう。

スマートフォンやソーシャルメディアの普及、シェアリングエコノミーという新しい価値観やビジネスの広がりは既に生活者の消費行動に大きな影響をもたらしています。また製造業や通信業など様々な業態がIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった技術と共にツーリズム周辺の機能整備を進めながら新しいビジネスを創り出しています。今後こういった動きのボリュームとスピードはさらに増し、呼応して規制緩和も進むことが予想されます。まさにツーリズムを接点としたダイナミックな新しい産業の誕生といえるでしょう。

一方、各地域はより多くの人びとの心を動かす魅力的な地域づくりや受け入れ体制整備、そしてエリアマネジメントが危急の課題です。ツーリズム産業の裾野が広がるにつれ、この分野で活躍する人材の質と量の両面の育成に対するニーズも高まっています。

私どもJTB総合研究所は、ツーリズムの拡大と質の向上を基本ビジョンに、長年培った知見を活かすとともに、未来志向かつグローバルな視点で、ツーリズムと接点を持つ多種多様なビジネスの課題解決や必要な人材の育成を行い、豊かな暮らしと豊かな地域の実現に寄与してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

2016年4月

JTB総合研究所
 代表取締役社長 野澤 肇