外国人観光客の訪日動機トップは「ショッピング」!

執筆: 村山 慶太 (客員研究員)
グローバル(訪日インバウンド)
2007/12/18
史上初めて「ショッピング」が外国人観光客の訪日動機のトップになった。「伝統文化」や「温泉」を抜いてトップになったのはなぜか?その意味合いはどこにあるのか?

国際観光推進機構(JNTO)が発表した「JNTO訪日外客実態調査2006-2007」によると、外国人観光客の訪日動機のトップ3は、「ショッピング」(34.8%)、「伝統文化・歴史的施設(32.4%)、「温泉・リラックス」(32.1%)の順で、「ショッピング」が、昨年の1位の「伝統文化・歴史的施設」、2位の「温泉・リラックス」を抜いて初めて1位になった。

この調査は、成田、関空など8つの国際空港と博多港の出国待合室で、韓国3,486名、台湾2,552名、中国1,134名、香港746名、米国1,746名、英国566名、その他の国や地域居住者3,661名、合計13,891名に聞き取り調査を行ってまとめたもの。

今回、「ショッピング」を1位へ押し上げた最大の要素は、訪日旅行者が増加している東アジアの中で特に観光客比率が高い香港(77.3%)、台湾(67.9%)居住者の「ショッピング」希望率がそれぞれ70.5%、40.0%と高いことにあるようだ。

当社が2007年12月に東アジア諸国で実施した最新調査でも「昨今の円安の恩恵もあり、ブランド商品のショッピングは日本が一番安くなった。ツアー代金を払っても自国で買うより安くなる」、「一流ブランド品のなかには、日本でしか手に入らない限定商品や限定セカンドブランドなどがある」など、特に若い女性において日本での「ショッピング」に対する意欲の高さが確認されておりこの結果と符合する。従来から言われている雪や紅葉などの「自然」、日本独特の文化である「温泉」に加え、リピーターが増えつつある中で、さらに都市型の「ショッピング」に目が向いてきた結果と言えよう。

しかし、東アジアからの旅行者全てに当てはまるかというと必ずしもそうではない。韓国からの訪日観光客は、「温泉」嗜好が「ショッピング」よりも10ポイント高い。フランスからの訪日旅行者がこの10年間で倍増したが、これはフランス国内における日本の「漫画・アニメ」ブームが背景にあると言われる。健康志向とあいまった日本食ブームもしかりだ。欧米人をひとまとめにしてその関心は「伝統文化」にあるとするのが今や危険であるのと同様に、東アジアからの訪日観光客の一番の関心は「ショッピング」と決め付けるのはやや妥当性を欠く。

それぞれの国からの旅行者における観光客の比率や嗜好の違いなどを細やかに見て、プロモーション戦略を立てることがますます重要になってこよう。

観光客の訪日動機

執筆者

村山 慶太
村山 慶太 (客員研究員)
訪日旅行専門会社での経験を生かし、地域資源を活用した旅行商品開発のみならず、海外市場ニーズや流通構造を踏まえたマーケティングを手掛ける。最近は、アジア諸国の海外旅行の調査・研究にも取り組む。