2007/7/26
2006年も日本人海外旅行者数は2000年を超えられなかった
史上最高を記録した2000年のマーケット構造との違いから
見えてくる停滞の原因とは何か? それを乗り越える方策はあるのか?
≫ 停滞の主な原因は、2000年に比べて、
(1)120万人も減少した20代
(2)海外旅行者数が増えたのは首都圏と東海のみという地域間格差の拡大
(3)1.7倍となった中国路線などビジネス路線に偏る航空座席数
≫ 着実に増え始めた団塊世代の海外旅行。
これが定年退職という人生の大きな節目を記念するイベントに
終わるのかどうか?
また、団塊世代に限らず、海外観光旅行の拡大への道筋はどのように
つけられるべきか?
2006年の海外旅行マーケットの実態をまとめた“海外旅行白書”「JTB REPORT 2007 日本人海外旅行のすべて」が発行されまました。
1988年以来、今年で20回目の発行となるこのレポートは、JTB監修のもと、独自のアンケート調査や各関係機関の統計資料に基づき、当社が海外旅行マーケットを分析し、編集・発行したもの。今回のレポートの概要は以下の通り。
1.2006年の海外旅行総括
2006年の日本人海外旅行者数は、史上2番目にあたる1,753万4,565人を記録した。しかし、好景気が続いているにもかかわらず、前年からは0.8%、13万人の増加にとどまり、2000年の1,782万人には30万人近く達しなかった。なぜ、2000年を超えられないのか。その原因を探ったところ、2000年の間に3つの大きなマーケット構造の違いが見出された。
(1) 働き盛り男性が底支えしてきた海外旅行マーケット
2000年に比べて出国率が上昇したのは、40~60代の男性。出張など業務関連の旅行の比率が高い年齢層である。女性では30代後半~40代、60代の出国率が2000年を上回った。一方、20代と30代前半の年齢層では、出国率が下回っている。特に20代後半女性の出国率低下が大きく、2000年を6ポイントも下回っている。なお、20代の海外旅行者数は、2000年から2006年にかけて、男女合計で約120万人も減少している。


(2) ビジネス需要の多い路線に偏る航空座席数、減少するレジャー路線
2000年夏期と2006年夏期の航空座席数を比較すると、中国路線が75.1%増、韓国路線が52.7%増、その他アジア路線が19.2%増と、アジア方面の航空座席数が急激に増加している。その一方で、ハワイ路線(30.0%減)、グアム・サイパン路線(10.8%減)とレジャー路線の座席数が大きく減少している。

(3) 鮮明に示された海外旅行マーケットの地域間格差拡大
2000年と比較して、出国者数・出国率が増加したのは首都圏と東海のみであった。出国率が1ポイント以上低下したのは、北海道、東北、京阪神を除くその他完成、四国と九州・沖縄であった。この結果からは、2000年から2006年の間に、海外旅行マーケットの地域間格差が拡大したことがわかる。地方空港から、ホノルル路線などのレジャー路線が相次いで撤退したことなどが、格差拡大の要因と考えられる。
地域間格差の是正策としては、地域からのチャーター便が有効な方法の一つである。今年5月末からチャーター便の規制が緩和されたことからチャーター便の増加が期待される。
また、出国者数・出国率が低下した地域に共通してみられるのは、65歳以上の高齢者人口比率が全国平均を上回って高いことである。

2000年以降の海外旅行マーケットの停滞の原因としては、これらのほかにも[1]円安の進行、[2]燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の導入、[3]2001年の米国同時多発テロ事件以降、毎年のように世界各地で事件や災害が発生したことで、海外での治安、安全への不安が広まっていることも挙げられる。
2.今後の海外旅行の動向
~2007年の海外旅行マーケットを占う~
株式会社ツーリズム・マーケティング研究所は、昨年末に2007年の海外旅行者数を1,790万人と予測した。しかし、2007年上期の日本人海外旅行者数の伸びは低迷している。また、2001年以降の日本人海外旅行マーケットの低迷の原因となっているとみられる3つの傾向にも変化が見られない。そうした状況の中にあって、60代前半の海外旅行者数が、1月から3月まで毎月、前年同月比で10%以上増加している。いよいよ60歳代を迎えた団塊世代が、定年退職を契機に海外旅行へ出始めたことを示す結果と考えられる。この勢いが、日を追って加速される可能性が高く、そうなれば当初予測した1,790万人を超えることすら期待できる。
しかし、日本人海外旅行マーケットの規模をさらに拡大していこうとするならば、団塊世代以外の年齢層の観光旅行者の拡大が重要な課題。「海外旅行実態調査」で実施した定性的な調査結果を踏まえ、もう一度原点に立ち返って、「人を海外旅行へ誘うものとは何か」ということを考えることを提唱している。
※ニュースリリースに記載されたグラフ及び数値はJTB REPORT 2007 及びバックナンバーを参考にしています。
『JTB REPORT 2007 日本人海外旅行のすべて』
監修 株式会社ジェイティービー
編集・発行 (株)ツーリズム・マーケティング研究所
販売 (株)JMC (JTB情報開発)
〒164-0012 東京都中野区本町2-46-1
中野坂上サンブライトツイン10階
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