月刊JTMレポート : 2007年10月号
研究員 石川 敏晴
「行楽の秋」の人気の旅行先は?大手旅行会社JTBが発表した「2007年秋の旅行動向」の調査結果をもとに、今年の「秋旅」の傾向を探る。
日本では「行楽の秋」といわれるように、秋は旅行のシーズンとして定着している。ゴールデンウィークや夏休み、年末年始のように長期休暇を取りやすい季節ではないものの、特に国内においては気候がおだやかであること、自然や味覚を楽しめることなど、旅行に出てみたいと思わせる要素は数多くある季節だといえる。
ここ数年、旅行商品にも「秋旅」という名称を冠するものをよく見かけるようになった。大手旅行会社JTBの発表による「2007年秋の旅行動向」を見ても、動向調査対象となった1,300名(20歳代以上の男女)のうち、半数以上の58.1%がこの秋に旅行を実施・計画していると回答している。パッケージツアーの9月現在の予約状況から見た人気の目的地としては、国内では先ごろ世界遺産に登録された石見銀山のある中国方面(11月前年同期比127.5%)がトップとなっている。一方、海外ではヨーロッパ(同102.7%)が熟年層を中心に人気を集めている。
年代別に動向を見ると、年代が上がるにつれて旅行の予定がある人の割合が増える傾向にあり、60代以上では7割に達している。この年代は、特にリタイアした人達にとっては曜日を選ばず好きな日に出かけられる自由さがあるため、旅行意欲は旺盛なようだ。50代以下の働く世代では、9月から11月までの毎月ある3連休や有給休暇を上手に使うことで、旅行の予定を立てている人が多かった。
秋に旅行に出かける理由としては、「気候が良いから」(45.2%)が最も多く、逆に出かけない理由としては「休みが取れないから」(30.1%)が最も多かった。出かけない理由として「夏やゴールデンウィークに旅行したから」、「他の時期に旅行したから」という選択肢は上位ではなかったことから、夏に旅行をした人も秋の旅行を楽しむ傾向にあり、このことからも「行楽の秋」における顕著な動きがうかがえる。
「行楽の秋」のほかにも「スポーツの秋」「芸術の秋」などという言葉もあり、秋を楽しもうとする人たちの旅行需要は今後も喚起する余地があると見られる。
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