月刊JTMレポート : 2007年10月号
研究員 顔 郁書
日本と台湾双方において、相手国の運転免許でドライブができるようになった。
今回の措置に対する、日本と台湾双方の反応や取り組みは?
9月21日に、観光目的など1年未満の短期滞在者に対し、日本と台湾の運転免許証を相互に承認する制度が導入された。日本の免許証には中国語翻訳文が、台湾の免許証には日本語翻訳文が必要で、翻訳文の作成は、日本自動車連盟、日台交流協会、台湾運転免許証センター等に申請することになる。
それに伴い、台湾では、JTBとエバー航空がレンタカーを使った北海道のパッケージ旅行の販売を開始した。交通事故に対する懸念や、ドライブ旅行の利益率が団体旅行ほど高くないなどの理由で、現在のところ、その他の台湾の旅行会社は、日本でのドライブ旅行の販売に関して積極的な取り組みを行っていない。台湾人の海外個人旅行の増加傾向を意識しつつ、海外ドライブ旅行の市場動向を模様眺めしている状況である。
また、現在のところ台湾には海外ドライブ旅行記事を掲載する雑誌はないが、出版社は、ドライブ旅行は新鮮で魅力的なテーマであるとして、出版の可能性を検討している。レンタカー会社の台湾オリックスは、日本人観光客にとって台湾は東京より運転しやすい環境だといっており、今後の動きに期待している。
台湾の台北市監理処によると、この制度が始まってから一週間 (9月21日から28日まで)で、台北市で発行された運転免許証の日本語翻訳文の件数は既に275件を数えており、この制度に対する台湾側の関心は高いと思われる。
一方、日本では、台湾でのドライブ旅行に対する目立った動きは今のところ見られない。台湾観光協会東京事務所によると、従来、台湾への日本人旅行者の8割は、パッケージツアーを利用して、北部を中心に観光していた。2007年1月の台湾新幹線開通により、台湾西部の公共交通機関が便利になったため、最近では北部以外への観光客も増えている。今回の措置により、日本人は新幹線を利用して台湾を周遊するだけでなく、レンタカーと組み合わせたドライブ旅行も楽しむことができるようになった。とはいえ、現実に日本人が実際に台湾でドライブするには、交通標識と言葉の問題への対応が必要だ。
また、同協会では、日本人は何ヶ月も前から旅行を計画するので、実際に日本人旅行者の反応が出てくるまでには少し時間がかかるとみている。台湾における日本人のドライブ旅行は将来性が期待できることから、来年には具体的なドライブ旅行促進策に着手できるよう、実行性を確認している段階である。今後、台湾ドライブ旅行への日本側の積極的な取り組みを期待したい。
新着情報
検索