原油価格の高騰による旅行への影響

月刊JTMレポート : 2007年12月号

執筆 : 石川敏晴(研究員) 

原油価格の高騰が日本国内で社会問題化してきた。本格的な冬を前にした灯油の値上げを始めさまざまな消費財が値上がりし、その影響は日増しに大きくなってきている。ツーリズム産業にはどのような影響を与えるのか。

既に問題が顕在化しているのが燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)。2005年2月に暫定的な措置として通常料金とは別に導入されたもの。以来何度も改定されてきたが(下記表参照)、来年1月には再び多くの航空会社が大幅な値上げを予定している。日本航空は、欧州、北米、オセアニア方面が4,000円アップの17,000円(片道)、ハワイが2,600円アップの12,500円(片道)となる。

テロやSARSのような大事件もなく経済状況も悪くない中で、今年の日本人海外旅行者数は前年を下回る見通しとなってきた。その原因の一つに燃油サーチャージの高止まりがあると言っても過言ではない。特に廉価型商品を志向するFIT層は、高額な燃油サーチャージに嫌気を示す傾向が強いと言う。常態化した高額な付加運賃は、「観光立国推進基本法」で目標に掲げた日本人海外旅行者数2000万人達成を阻害する大きな要因になりかねない。

もうひとつ、大きな影響を及ぼしつつあるのが、国内のガソリン価格の高騰だ。レギュラーガソリンの単価は今年1月から11月の間に1ℓあたり15円以上値上がりしている。自動車保有台数の多い日本において、国内旅行の移動手段として自動車が果たす役割は大きい。このままガソリン価格の上昇や高止まりが続くと、自動車を移動手段としたレジャーや旅行の減少という事態を招きかねない。

海外における日本人観光客の相対的なプレゼンスの低下、国内においては観光による地域活性化などが大きなテーマとなっている。原油価格の高騰は、ツーリズム産業に大きな課題を投げかけている。

【表1】燃油サーチャージ導入からの金額の推移(日本航空・1区間・単位:円) 

jtmreport0712001.jpg

【表2】2007年 国内レギュラーガソリン価格の推移(全国平均)
jtmreport0712002.jpg

 

 

カテゴリーで探す

  • インターネット
  • 国内旅行
  • 地域活性化
  • 宿泊施設・観光施設
  • 海外旅行
  • 消費行動
  • 観光バリアフリー
  • 訪日旅行

検索

注目ワード

メールマガジンの購読

Pマーク

株式会社ツーリズム・マーケティング研究所は「プライバシーマーク」使用の許諾事業者として認定されています。