160-年齢=?

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「160-年齢=目標心拍数」のウォーキングで健康維持
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スポーツ庁

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スポーツ庁は、10月9日に2015年度の体力・運動能力調査の結果を発表しました。調査の結果、75~79歳の男女と、65~69歳の女性の合計得点が1998年の調査開始以降過去最高となり、高齢者の運動能力の向上が明らかになりました。調査の中で高齢者のみに行われる「日常生活活動テスト」の「歩行」の項目では、男女ともにスポーツや運動の頻度が高いほど長く歩ける割合が高い結果となりました。運動をほとんど毎日実施している人は、男性で約7割、女性で約6割以上が「休まずに1時間以上歩くことができる」と回答しています。

山形県の上山温泉では、住民や近隣からの来訪者を中心に「クアオルト健康ウォーキング」が行われています。ドイツ発祥の、気候の力を利用して野山の傾斜地を歩く運動療法である「気候性地形療法」によるウォーキングです。出発前に血圧と「心拍数」を測定し、「160-年齢」を上りでの目標心拍数として15分ごとに心拍数を図り、目標心拍数を上まわらないように歩きます。6つの「里山コース」と2つの「準高地コース」があり、「里山コース」の1つで、早朝におこなわれる「毎朝ウォーキング」は、つらい思いをせずに運動が持続できることから、ほぼ毎日参加する住民もいるとのことです。集合場所に行けばだれでも参加できるこのコースは、観光客にも人気です。最近は、企業の健康保険組合の健康づくりのイベントとして、宿泊を伴う県外からの参加や、温泉が目的の旅館宿泊者がこの土地ならではの体験としてウォーキングに参加することも増え、地元の人と観光客の交流の場としても注目されています。

スポーツ庁の調査では、高齢者においては過去の運動経験の有無は結果に大きな影響を与えておらず、現在の運動習慣が体力の維持に重要なことが示されました。運動習慣のある高齢者は増加していますが、健康維持のために、つらい思いをせずに継続できる運動は、これからはどの世代にも必要とされていくでしょう。