JTB総合研究所の「考えるプロジェクト」 

登山計画を義務づける条例を検討 長野県

2014.11.22 JTB総合研究所 

9月に発生した御嶽山(長野県・岐阜県)の噴火を受け、長野県は今月21日、山の安全対策や火山防災、麓の復興支援策をまとめました。このなかで、入山者に登山計画書提出を義務付ける条例の検討が盛り込まれます。安全対策として制定を目指す本条例は、火山に限らず、長野県内の広範な山の登山者に計画書提出を義務付ける方向で検討が進められており、計画書を作る過程で登る山について調べることで、必要な装備に気づいたり、災害が発生した際に取るべき行動を考えたりしてもらうことが狙いです。

一方で、全国各地には、火口からかなり近くまでドライブウェイで登ることができる山も数多くあります。山用の装備も不要で、気軽に自家用車等で訪れることができるそのような場所は、来訪者に火山の危険性を伝達することも難しく、「山へのゲートウェイ」が複数存在するため、入山情報・来場者情報の提出を義務付けることが困難です。長野県における今回の条例検討は、「山」を観光資源とする地域における来訪者の安全確保対策に関する具体的な議論のさきがけとなりそうです。

2014.11.22JTB総合研究所 

JTB総合研究所では観光危機管理の実務支援を行っています

観光危機管理マニュアルの策定支援、現状把握調査、セミナー・シンポジウムの実施等、行政や企業での
豊富な実績とノウハウをもとに、観光危機管理の支援・コンサルティングを行っています。