観光危機管理を「4R」で理解する(1)
危機が発生すれば、観光客は旅行計画を変更して、その観光地を避けて、別の観光地に行ってしまうでしょう。危機が発生したとき、その土地を訪れている観光客や旅行者の安全を確保し、被災した観光客を救護し、無事に自宅に戻れるように支援することは、観光地・観光関連事業者の責任です。
災害時の観光客に対する対応がしっかりできれば、危機に際しても安心できる国・地域として、日本全体や地域のブランドイメージを高めることができます。また、被災した現地の状況に関する正確な情報を国内外の関係者にいち早く伝えることは、観光の復興に向けた第一歩です。危機後できるだけ早い時期に、観光復興計画をまとめ、それを実行することは、地域の観光復興を一日でも早め、観光や観光関連事業に従事する地域の人々の雇用と生活を守ることを通じて、その地域全体の復興を加速することに繋がります。
危機は、マイナス・プラスの両面に作用する可能性を持っています。危機による影響を、組織や観光地域の将来発展にプラスに作用させ、可能な限り負の結果につながらないようにするには、すばやい判断と対応策の実行が必要です。
それでは、具体的にはどのようなことを実践すればよいでしょう?危機は「必ず起きる」という大前提に立って検討を進めることが、観光危機管理の第一歩です。
観光危機管理は、4つの’R’で構成されていると言われます。Reduction(減災)、Readiness(危機への備え)、Response(危機への対応)、そしてRecovery(危機からの復興)です。
観光危機管理のポイントは4つの’R’
減災(Reduction)

地域の観光に負の影響を与えうる危機や災害、そのリスクを想定し、危機の発生を抑止したり、危機の発生が迫っているときに、観光客や観光事業者への被害を最小にするための対策を講じます。
(例)避難マップの作成、危機に関する早期の情報提供、事前避難・事前準備の促進
観光危機管理を「4R」で理解する(2):Reduction - 減災 へ
備える(Readiness)

危機が発生したときに、だれがどのように対応するか等の計画や具体的な行動マニュアルを予め策定し、それらが迅速かつ適切に実行できるよう、体制づくりと訓練を実施しておきます。
(例)現状把握、課題分析、防災計画の策定、危機対応訓練の実施
観光危機管理を「4R」で理解する(3):Readiness - 危機に備える へ
対応(Response)

危機が発生したとき、計画やマニュアルに基づいて、遅滞なく組織的に行動し、観光客の安全を確保します。また、混乱や風評による影響を最小限に留めるための情報収集および情報発信も非常に重要です。適切な情報発信は、危機が去ったあとの復興のスピードを早めることにつながります。
観光危機管理を「4R」で理解する(3):Readiness - 危機に備える へ
復興(Recovery)

危機後の観光地をいち早く復興するために、観光インフラの修復や、観光復興のためのマーケティング等について予め検討・計画します。観光地としての事業継続計画(BCP)でもあります。
(例)復興フレームワークの策定、観光関連事業者への緊急融資、観光関連事業従業員の雇用対応、復興プロモーション
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