ごあいさつ
JTB総合研究所 代表取締役 社長執行役員の風間 欣人からのごあいさつです。

2026年を迎えて
2026年は、60年に一度巡ってくる丙午(ひのえうま)の年です。火の象徴である「丙」、行動力を表す「午」が合わさることで、情熱や勢いが高まり、太陽のようなエネルギーに満ち溢れた一年となることが期待されます。
しかしながら、ツーリズム産業を取り巻く環境は、決して平たんとは言えません。国内で頻発する自然災害や、円安を含む為替環境の不透明感、資源価格の高騰、国際的な地域紛争の長期化、中国経済の減速など、様々な課題が山積しています。また、脱炭素化やSDGsに向けた環境問題、多様性の尊重などへの取り組みも求められます。しかし、どのような局面にあっても、ツーリズムの価値は決して変わることはありません。不確実な時代においてもツーリズム産業は、レジリエンス(困難に直面しても立ち直る能力、あるいは、持ちこたえる打たれ強さ)を持っています。
フランスの作家であるマルセル・プルーストは、このような格言を残しました。 『真の発見の旅とは、新しい風景を探すことではなく、新しい目で見ることだ』 これはまさにツーリズム全般に通じる考え方であり、私たちの“今後”を照らすヒントにもなるでしょう。
人々のコミュニケーションのあり方や働き方、消費行動なども不変ではありません。時代と共に、新しいモノが次々と生まれ、私たちの暮らしは益々便利になっています。しかし、利便性や効率性を追求するあまり、私たちにとって本当に大切なものが、知らず知らずのうちにそぎ落とされてしまっている可能性はないでしょうか。新しいモノを安易に導入するのではなく、果たしてそれが最善の方法なのか、そしてそれによって私たちも進化を遂げているのかしっかりと見極める必要があります。場合によっては、「無理に新しいモノを導入する必要はない」と結論づけることもあるでしょう。しかし、それで良いのです。お客様の目標を達成するための方法は、新しいモノの導入だけとは限りません。既存の手段でも、『新しい目』で見れば、問題解決の糸口が見つかることもあります。これこそが、マルセル・プルーストのいう『真の発見の旅』だと考えます。
『真の発見の旅』に終わりはありません。1日1日と変化する情勢を注視しながら、ツーリズムを支えるシンクタンクとして、弊社はこれからも皆さまの『新しい目』となるべく、皆さまと共に『真の発見の旅』を続けて行けますよう努力してまいります。
人々の豊かな暮らしと、豊かな地域の実現のために。 今後とも、どうぞ変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
2026年1月
JTB総合研究所
代表取締役 社長執行役員
風間 欣人