10年で3.2日増加

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2024年の年間休日総数は116.4日で、10年前よりも3.2日増加しました

2024年の年間休日総数は116.4日で、10年前よりも3.2日増加しました
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厚生労働省 令和6年就労条件総合調査

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今年のGWは比較的、天候にも恵まれ、各地で賑わいを見せていましたね。皆さんはどのように過ごされましたか。
 さて、厚生労働省の調査によると、2024年の日本の年間休日総数は116.4日(労働者1人平均年間休日総数)です。これは10年前の113.2日と比べると、3.2日も増加しています。
 一見わずかな増加に思えますが、1年365日という限られた時間の中で、10年でこれだけの増加は大きな変化と言えるでしょう。
 また、2024年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)16.9日のうち、労働者が取得した日数は11.0日で、取得率は65.3%(2023年は 62.1%)となっており、1984年以降最も高くなりました。これまで日本は諸外国と比較して、有休休暇の取得率の低さが指摘されてきましたが、徐々に改善の兆しがみられるようです。ワークライフバランスへの意識の高まりや働き方改革の推進が背景にあるのは間違いありません。
 かつての長時間労働が当たり前だった時代から、しっかりと休むことが重要視されるようになってきました。さらに、コロナ禍を経て、働き方の多様化が加速しました。リモートワークが普及したことで、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が可能になり、休暇の取得のしやすさにも繋がっています。こういった変化も、休日の増加を後押ししていると考えられます。
 近年は、新たな旅行スタイルとして「ラーケーション」も注目を集めています。これは「学習(Learning)」と「休暇(Vacation)」を組み合わせた造語で、子どもが平日に学校を休んで家族旅行を行い、その土地の歴史や文化を学ぶというものです。子どもの学びを深めるだけでなく、家族の絆を強め、地方への観光客誘致にも貢献することが期待されています。
 観光業界にとって、休日の増加は追い風です。休みが増えれば旅行の機会も増え、ラーケーションのような新たな旅行スタイルも生まれてきます。旅行需要の増加に対応するために、質の高いサービス提供や、旅行者をより楽しませる工夫がこれまで以上に求められていきそうです。(お)