令和の旅は「心の平穏」重視へ─失敗を避ける“メンパ旅”が拡大(ライフスタイルと旅行に関する調査2026)

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結果概要

  • 幸福度は2年連続で減少。心地よい居場所は「ストレスがない」がトップ。若い年代ほど「タイパ」を重視する一方、「失敗は次の学びにつながる」という意識は低く、心の平穏を優先する“メンパ”志向が顕著
  • 参考にする情報源は、「家族や友人の口コミ」がトップながら減少し、「知らない誰かのSNS投稿」や「生成AI」が大きく増加
  • 理想の働き方と現実にはギャップ。約7割が週1日以上の在宅勤務を望むが、実現できているのは約3割
  • 海外旅行から国内旅行にシフト?「海外旅行コア層」がコロナ禍前と比べ半減。旅行に求めるものは「食」、「リフレッシュ」、「家族・友人との時間」
  • 「トラブルも旅の醍醐味」はもう古い?旅先での“メンパ”行動は、不安回避・安心重視の行動は比較的若い年代で高く、予期せぬ出来事やトラブル、未知を楽しむ行動は年齢が上の年代で高い傾向に

株式会社JTB総合研究所(東京都港区 代表取締役社長執行役員 風間 欣人)は、「ライフスタイルと旅行に関する調査2026」の調査結果をまとめました。
本調査は、人々の価値観、働き方や暮らし方、情報収集や旅に対する考え方を中長期的に把握することで、人々のライフスタイルはどのように変化し、旅へのニーズがどう変わっていくのかのヒントを得ることを目的に2024年から調査を開始しました。昨年は特にZ世代における、時間を効率的に使い、生産性を最大化しようとするタイムパフォーマンス(以下、タイパ*1)重視の行動や考え方に注目しました。今年度の調査では、精神的なストレスを極力避け、心の平穏を優先するメンタルパフォーマンス(以下、メンパ*2)重視のトレンドに焦点を当て、今後の生活者や旅行者行動を考える上でのポイントを探ります。

*1タイパ:時間を効率的に使い、生産性を最大化しようとする行動や考え方を指す。
*2メンパ:消費などにおいて、失敗や面倒くささを避け、心の平穏を最優先しようとする行動や考え方を指す。

調査結果

【幸福度と生きる価値観】

1.今の生活の幸福度は2年連続で減少傾向、男性は40代、女性は30代が最も低い結果に生きがいを感じることは、「家族の役に立つこと」、「健康を向上させること」

事前調査対象者に、今の自身の生活についての幸福度について聞いたところ、「幸せ」、「やや幸せ」ともに、2年連続で減少となりました。全体としては、女性のほうが男性より高い傾向にあり、性年代別にみると、男女ともに60代以上が最も高くなりました。一方、男性では40代が、女性では30代が最も低い結果となりました(図表1、2)。
生きがいを感じることは、上位から「家族の役に立つこと(44.1%)」、「健康を向上させること(35.0%)」、「行ったことのない場所で新しい風景やその地域の文化・暮らしにふれること(33.7%)」となりました。 年代別にみると、「家族の役に立つこと」、「健康を向上させること」は、年代が高くなるほど増える傾向にあります。一方、「努力してお金を稼ぐこと」は男性29歳以下で最も高い37.9%、「自分の夢や目標を実現すること」は女性29歳以下で最も高い39.8%となりました(図表3)。

(図表1、2)今の自身の生活についての幸福度(経年比較、性年代別)

(図表3)生きがいを感じることについて

【日常生活でのタイパ・メンパ行動・情報収集について】

2.無駄に見える時間や何もしていない時間への価値は年代で異なる。
若い年代は無駄な時間は避けたい一方で、何かをしながらであれば「無駄ではない」と考える傾向が強い
「失敗は次の学びにつながる」という意識は、男女ともに50代以上が高い、29歳以下は低い傾向に

次は本調査対象者に、日常生活でのタイパ、およびメンパを重視した行動について聞いてみました。時間の使い方に関する考え方では、「一見無駄に見える時間にも意味があると思う」は男女ともに60代以上で、「何もしていない時間が好きである」は特に女性30代以上で高くなりました。男女ともに40代以下で「無駄なことに時間を割きたくない」「何もしていない時間は嫌いである」が高い一方で、「他のことをしながらなら、並んだり、待ったりしてもよい」は年代が低くなるほど、高くなりました。無駄な時間は避けたい一方で、何かをしながらであれば「無駄ではない」と考える傾向が若い年代にはありそうです。また「家事などは時短につながる機器・サービスを積極的に利用する」が男女29歳以下では4割を超えましたが、女性50代では25.2%と最も低くなりました(図表4)。
また日常での行動や気持ち・考え方については、上位から「失敗は悪いことではなく、次の学びに繋がるものだと思う(36.4%)」、「SNSでは本名での投稿やコメントはしたくない(28.8%)」、「お店や商品、サービスについてのレビュー・口コミの評価を気にする(22.7%)」となりました。
性年代別にみると、「失敗は悪いことではなく、次の学びに繋がるものだと思う」については、男女ともに50代以上が高く、年代が若くなるにつれ、低くなる傾向がみられました。またコミュニケーションについては、「SNSでは本名での投稿やコメントはしたくない」は男女ともに若い年代が高く、特に女性30代が49.5%、次いで女性20代が36.9%となりました。一方、他人との意見や深い話などについての項目は、性年代による差は大きくありませんでした。「お店や商品、サービスについてのレビュー・口コミの評価を気にする」は女性40代以下が高い結果となりました(図表5)。

(図表4)時間の使い方に関する考え方

(図表5) 日常での行動や気持ち・考え方

3.参考にする情報源は「家族・友人・知人の話」、「テレビのニュース番組、報道特集番組」が上位
伸び率では2年連続で「知り合いではない一般人の匿名によるSNSへの投稿」 、「AIの回答」が急増

普段の生活で参考にしている情報について聞きました。全体としては上位から「家族・友人・知人の話(50.3%)」、「テレビのニュース番組、報道特集番組(48.3%)」、「知り合いではない一般人の匿名によるSNSへの投稿(26.9%)」となりました。「SNSへの投稿」に関する選択肢は前年に比べ、すべて増加していますが、その増加率は投稿者によって異なります。「知り合いではない匿名の一般人」の増加率が高く前年から8.5ポイント増加、一方「友人・知人」は0.2ポイント、「通信社、新聞社など報道機関の公式」は1.2ポイントの増加となりました。最も信頼する情報源は「家族・友人・知人の話」でありながら、広く多様な情報に触れ、新しい視点や刺激、創造的な機会を得られるのは遠くの「知り合いではない匿名の一般人」なのかもしれません。また、近年急速に利用が進んでいる「AI(人工知能)の回答(16.9%)」は、前年から11.1ポイント増加し、全項目で最も増加率が高い結果となりました。情報取得の効率化はますます加速すると考えられます(図表6)。
性年代別にみると、マスメディアは年代が上になるほど高く、SNSや口コミ、AIは若い年代ほど選択率が高くなりました。図表には掲載していませんが、前年と比較すると、「知り合いではない一般人の匿名によるSNS・YouTubeへの投稿」、「AI(人工知能)の回答」はすべての属性で増加していました(図表7)。

(図表6)普段の生活で参考にしている情報について(経年比較)

(図表7)普段の生活で参考にしている情報について(性年代別)

【理想の暮らし、人との距離感・居住地について】

4.心地よい居場所は「ストレスがない」、「自分だけの時間や空間が確保できる」、「飾らない自分でいられる」こと
近所付き合いは「挨拶やちょっとした立ち話程度の交流があれば十分」

次に心地よいと感じる居場所は、上位から「ストレスがない(45.3%)」、「自分だけの時間や空間が確保できる(26.4%)」、「飾らない自分でいられる(24.5%)」となりました。
性年代別にみると女性29歳以下は、「ストレスがない(54.5%)」、「がんばらなくてもいい(32.0%)」が全属性で最も高く、加えて女性29歳以下~40代は「飾らない自分でいられる」が高い結果となりました。さらに男女ともに29歳以下は「好きなことだけを追求できる」も高くなっており、ストレスなく無理することなく、好きなことを追求することに心地よさを感じるようです(図表8)。
理想とする暮らし方については、上位から「経済的な余裕がある(59.2%)」、「時間に追われることなくゆったりと過ごす(53.3%)」、「家族に囲まれている(37.5%)」となりました。性年代別にみると、女性40代以上では、「時間に追われることなくゆったりと過ごす」、「話し相手がいる」、「いつまでも若々しくみられる」、が高く、男性30代と女性29歳以下では、「多彩な趣味を楽しんでいる」が高くなりました(図表9)。
また近所付き合いについて聞いたところ、「近所付き合いは挨拶やちょっとした立ち話程度の交流があれば十分」が33.1%で最も高く、次いで「近所付き合いは面倒くさいと感じるが、トラブルを避けるためには必要だと思う(18.5%)」、「地域の人とは、緊急時や困ったときだけ協力したい(17.1%)」となりました。女性40代以上では、「近所付き合いは挨拶や、ちょっとした立ち話程度の交流で十分」が4割以上となりました。一方、若年層の男性では、地域の活動やイベントに対して興味があるが「時間がない」、「近所付き合いはしたくない」という層も一定数おり、ボトルネックが解消されれば地域との関わりに前向きになる可能性があります(図表10)。

(図表8)心地よいと感じる居場所について

(図表9)理想とする暮らし方について

(図表10)地域コミュニティや近所付き合いについての考え方

5.理想の働き方と現実にはギャップ。約7割が週1日以上の在宅勤務を望むが、実現できているのは約3割
男性29歳以下は、「趣味との相性」、「仕事」で居住地を選択

理想の通勤頻度・働き方と現実のギャップ、現在の居住地の選び方について聞きました。理想については、「完全出社(32.2%)」、「ハイブリッド(46.9%)」、「フルリモート(月1、2回程度以下の出社)(20.9%)」となりました。一方、実際の頻度と比較すると「完全出社(69.5%)」は理想との差37.3%となるなど、すべての項目で理想の半分以下となり、理想と現実に乖離があることがわかりました(図表11、12)。
現在の居住地を選んだ理由については、上位から「実家・実家の都合(31.7%)」、「通勤・通学の快適性(29.6%)」、「家賃や住宅価格(26.5%)」となりました。性年代別にみると、「趣味との相性」、「仕事がある」は男性29歳以下、「実家・実家の都合」、「買い物・医療・公共施設など生活施設の充実」は女性40代・50代、「治安・安全」は女性50代以上、「自然・周辺環境」、「街・土地の雰囲気」は男女60代以上で高いなど、年代やライフステージによって重視するものが異なる様子がうかがえます(図表13)。

(図表11)勤務スタイルについて(経年比較)
(図表12)勤務スタイルについて(性年代別表)
(図表13)現在の居住地を選んだ理由

【働き方や学び、お金についての考え方】

6.こだわりをもってお金を使うものの1位は「旅行」。物価高騰などの影響から前年より減少する項目が多い中、「旅行」に加え、「投資や資産の運用」、「自己啓発のための学費・受講費」など、将来に向けた投資は増加

仕事や学びについて、全体では上位から、「仕事と家庭生活をバランスよく両立したい(34.0%)」、「好きなことを仕事にしたい(31.1%)」、「安定性を重視して仕事や会社を選びたい(20.0%)」、となりました。性年代別にみると、男性29歳以下は「仕事より自分の趣味や興味のある分野を突き詰めたい(21.4%)」、女性29歳以下は「最低限生活できる範囲で、可能な限り楽な仕事をしたい・している(27.2%)」、女性30代は「管理職にはなりたくない・出世したくない(26.2%)」、女性40代は「仕事と家庭生活をバランスよく両立したい(52.4%)」、「働きたくない・専業主婦になりたい(25.2%)」がそれぞれ最も高い結果となりました(図表14)。
こだわりをもってお金を使うものについては、上位から「旅行(51.1%)」、「外食(29.0%)」、「普段の食事・食材(24.7%)」となりました。前年と比較すると「旅行」は2.4ポイント増加、「投資や資産の運用」は3.0ポイント増加、「自己啓発のための学費・受講費など」は0.5ポイント増加しましたが、他の項目はいずれも減少しました。減少率が大きかったものは「プレゼント・ギフト」、「服・衣類やファッション用品」、「住宅費・家具・インテリア」、「エステや整体・トレーニングなど」となりました。物価高騰などの影響で全体の消費は抑えつつ、NISA拡充などの影響もあってか、投資や資産の運用や将来に備えたリスキリングなどの学びが注目されているといえそうです(図表15)。
性年代別にみると、男女60歳以上は「旅行」、女性29歳以下・30代は「コンサートや観劇」、「美容・化粧品」、男性30代~50代は「投資や資産の運用」が高い結果となりました。特に「コンサートや観劇」については、男性29歳以下が6.8%であるのに対し、女性29歳以下は28.2%で、同年代でも大きな差がありました(図表16)。

(図表14)仕事や学びについての考え方

(図表15)こだわりを持ってお金を使っていること(経年比較)

(図表16)こだわりを持ってお金を使っていること(性年代別)

【旅についての意識・価値観】

7.海外旅行から国内旅行へシフト? 「海外旅行コア層(2~3年に1回以上、必ず海外旅行へ行く)」がコロナ禍前と比べ半減

日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の日本人出国者数(推計値)は1473万1500人(前年比13.3%増)で、回復しつつあるものの、コロナ前の7割台に留まっています。今回の調査で、観光旅行の頻度について聞いたところ、「海外旅行コア層(海外の観光旅行へ必ず年に1回以上は行く)+(海外の観光旅行へ少なくとも2、3年に1回以上は行く)」は全体で8.2%と、10年前の調査*3に比べて半減し、代わりに「旅行ライト層(観光旅行はほとんどしないが、国内旅行ならきっかけがあれば行く)」の割合が増加となりました。コロナ禍で海外旅行へ行く習慣が途切れ、国内旅行にシフトしたとも考えられます(図表17)。
どんな海外旅行をしてみたいか、という質問を、同調査の結果と比較してみると、「海外で話題になっている場所へ行きたい」や「海外で話題になっている物を買ったり食べたりしたい」などの「海外志向」が大きく減少していました。また、「話題になっている場所に行きたい」(コト志向)か、「話題になっている物を買ったり食べたりしたい」(モノ志向)かを比べると、2026年には、国内でも海外でも「コト志向」が「モノ志向」を上回っています。海外のメディア等を通じてもたらされる海外の情報より、身近なSNSなどで話題になっていることが好まれるようになった可能性もありそうです(図表18)。

(図表17)旅行関心度の変化
(図表18)海外旅行で実施してみたいこと
*3 株式会社JTB総合研究所「海外観光旅行の現状2017」(2017年6月8日)
https://www.tourism.jp/tourism-database/survey/2017/06/overseas-trip-current-2017/
8.旅に求めるものは、「食」、「リフレッシュ」、「家族や友人の時間を楽しむ」、年代やライフステージでも変化
旅先での行動は、不安回避・安心重視の“メンパ行動”は比較的若い年代で高く、予期せぬ出来事やトラブル、未知を楽しむ行動は年齢が上の年代で高い傾向に

旅に求めるものについて、全体としては、「その土地のおいしいものを食べたい(56.5%)」、「普段の生活から離れ、リフレッシュしたい(50.0%)」、「家族や友人との時間を楽しみたい(41.1%)」となりました。性年代別にみると、男性29歳以下は「ひとりだけの時間を楽しみたい(26.2%)」、「流行・話題に触れたい(19.4%)」が全属性で最も高くなりました。また女性40代は「その土地の美味しいものを食べたい(73.8%)」、「見たことのない景色や異文化など非日常を体験したい(56.3%)」が高いことに加え、子育て中も多いと考えられることから「家族や友人との時間を楽しみたい(58.3%)」、「子供たちを喜ばせたい・学ばせたい(35.0%)」も高い結果となりました。また女性50代以上は「普段の生活から離れ、リフレッシュしたい」が高いなど、年代やライフステージによって旅に求めるものが異なることがわかります(図表19)。
最後に旅行中の行動や気持ち、考え方について聞きました。「混雑や行列はできるだけ避けたい(51.2%)」、「予想外の出来事は、できるだけ起こってほしくない(26.1%)」といった、不安回避・安心を重視したいわゆる“メンパ行動”が上位となりました。続いて、「予定が変わっても、別の楽しみに置きかえられる(26.0%)」、「未知の土地を歩くこと自体がワクワクする(24.9%)」、「多少のトラブルも、旅の醍醐味だと感じる(22.7%)」など、旅行先での予期せぬ出来事やトラブル、未知を楽しむ行動が続きました。
性年代別にみると、「予定が少しでも崩れると、気持ちが落ち着かなくなりやすい」、「一人旅は不安が楽しみを上回る」は比較的若い年代で高く、「予定が変わっても、別の楽しみに置きかえられる」、「未知の土地を歩くこと自体がワクワクする」、「多少のトラブルも、旅の醍醐味だと感じる」などは年齢が上の年代で高い傾向がみられました。また女性40代は「混雑や行列は避けたい(69.9%)」、「計画や手配は人やAIに任せたい(11.7%)」が全属性の中で高く、子育て世代ならではニーズも想定されます。日常生活同様、“メンパ”重視の行動は、若い年代を中心に旅行中にも広がりつつあります(図表20)。

(図表19)旅行に求めるもの

(図表20)旅行中の行動や気持ち・考え方

【まとめ】

本調査では、日常生活における「タイパ」行動の定着、その先にある“メンパ”志向の広がり、そして理想の暮らしとして「ストレスがないこと」を求める価値観が明らかになりました。こうした心の平穏を優先する意識は、旅行においても同様です。若い年代を中心に「失敗したくない」、「予想外を避けたい」という安心志向が強まっており、旅の形も変わりつつあります。

1.日常の行動に定着する「タイパ」とその先の“メンパ”志向

若い年代を中心に、時間効率を重視する「タイパ」行動が日常に定着しています。「無駄なことに時間を割きたくない」「何もしていない時間は嫌いである」といった傾向が顕著です。さらにその先には、精神的なストレスや失敗を避けたい“メンパ”志向が広がっています。「失敗は次の学びにつながる」という意識は50代以上で高い一方、29歳以下では低く、大きなギャップが見られました。
情報収集においても変化が見られます。「家族・友人の口コミ」は依然トップながら減少傾向にあり、「知り合いではない一般人の匿名によるSNSへの投稿」や「AIの回答」が急増しています。失敗を避けるため、広く情報を効率的に集める行動が広がっています。

2.理想の暮らしは「ストレスがないこと」、心地よい居場所と人との距離感

生活の幸福度が2年連続で減少する中、心地よい居場所の条件として「ストレスがない」がトップとなりました。特に若い年代では「がんばらなくてもいい」、「好きなことだけを追求できる」が高く、無理をせず心穏やかに過ごしたいという欲求が強く表れています。
理想の暮らし方は「経済的な余裕」、「時間に追われずゆったり過ごす」が上位となり、近所付き合いは「挨拶程度で十分」、「トラブルを避けるために必要」という声が多数を占めました。働き方においても、約7割が週1日以上の在宅勤務を望むものの、実現は約3割にとどまり、理想と現実の暮らし方には乖離がある結果となりました。
一方、こだわりをもってお金を使うものの1位は「旅行」でした。物価高騰などの影響から前年より減少する項目が多い中、「旅行」に加え「投資や資産の運用」「自己啓発のための学費、受講費」は増加しました。日常ではストレスを避けつつも、心の充足や将来につながるものには積極的な姿勢がうかがえます。

3.旅行中の“メンパ”行動——「トラブルも旅の醍醐味」にも変化が?

海外旅行コア層がコロナ禍前と比べ半減し、国内旅行へのシフトが進んでいます。旅行に求めるものは「その土地のおいしいもの」「リフレッシュ」「家族・友人との時間」が上位となり、日常のストレスから解放され、安心して楽しめる旅が求められています。
旅先での行動においても、「混雑や行列を避けたい」、「予想外の出来事は起こってほしくない」といった不安回避・安心重視の傾向は、若い年代ほど高くなっています。一方、「予定が変わっても別の楽しみに置き換えられる」「多少のトラブルも旅の醍醐味」という姿勢は上の年代で高く、旅のスタンスに明確な違いが見られました。

変化の激しい時代において、精神的なストレスを極力避け、心の平穏を最優先する“メンパ”志向は、今後ますます広がると考えられます。年代やライフステージに応じた多様な旅の提案と、安心感と冒険心を両立させる仕掛けづくりが、これからの旅行業界の鍵となるでしょう。

調査・研究結果 本文

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調査概要

調査手法:
インターネットアンケート調査
対象者:
全国に居住する18歳~79歳までの男女
過去1年以内に観光旅行(日帰りも含む)をした人 ※帰省・ビジネスは除く、日帰り旅行は半日以上とする
調査期間:
2026年2月6日~12日
サンプル数:
事前調査 10,000名 本調査1,030名
調査担当:
中尾、野口、早野

調査に関するお問い合わせ

株式会社JTB総合研究所 経営企画部 広報担当
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