横ばいの1.8%

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2013年製造業の賃上げ率、前年と同水準の約1.8%
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日本経済新聞社「賃金動向調査(一次集計)」(2013年4月まとめ)

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日本経済新聞社が4月にまとめた2013年の賃金動向調査(一次集計)によれば、製造業の賃上げ率(月例給与の上昇率)は約1.8%と前年実績とほぼ同水準でした。

株高や円安により市場に楽観ムードはあるものの、一部の大企業を除けば企業の業績回復はまだ途上。依然として厳しい状況にある中小企業が多いのが現状です。 消費税増税を控え、企業としても固定費の増加につながる賃上げには慎重にならざるを得ないという背景もあります。

一方、主要企業の年間一時金の支給額は前年比で5.42%増の162万5,730円と大幅に回復しました。安倍政権よる賃上げの要請に一時金で応えた企業が多かったようです。

このような一時金の増加やアベノミクスによる好況感によって、2013年前半は旅行への消費意欲が持続することが予想されます。 けれども、賞与のない企業も増え、非正規雇用者の数も多い現在、今後労働者全体の所得が底上げされ、この好況感が実態を伴って継続していくかどうかはまだ未知数と言えるでしょう。