税金20万ユーロでサンタクロースが…

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フィンランドの観光名所サンタクロース・オフィスが、税金滞納20万ユーロ
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ロイター 2015年8月28日付

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この夏、フィンランドの観光名所であるサンタクロース・オフィスが、税金滞納で破産宣告を受け、存続が危ぶまれるという報道がありました。しかし、その後新オーナーが名乗りをあげ、サンタクロース・オフィスの運営会社から株式の過半数を購入し、滞納していた税金20万ユーロを支払うことが決まりました。破たんの原因は、最も多かったロシア人観光客がロシアの経済悪化で急激に減少したことが響いたようです。(ロイター 8月28日付)ロシア経済の低迷は隣国フィンランドの観光に大きな影響を与えているようです。

サンタクロース・オフィスは世界100の国と地域から年間約30万人がくるフィンランドの観光名所です。フィンランド公認のサンタクロースとふれあえ、写真撮影ができたり、サンタからの手紙がもらえたりするサービスを提供し、売上高は約200万ユーロになります。オフィスのあるロヴァニエミは、ヘルシンキから飛行機で約1時間20分、ラップランド地方の行政、商業の中心地です。オーロラ観測など野外アクティビティの拠点でもあり、多くの日本人観光客も訪れています。

2014年のフィンランドへの外国人観光客は760万人。旅行目的の割合は、レジャー38%、ショッピング22%、ビジネス15%、親族訪問14%と続きます。国際観光収入は44億3000万ユーロ。内訳を国別の割合で見てみると、ロシア33%、中国7%、ドイツ6%、スウェーデン5%、日本4%、英国4%の順で続きます。国別宿泊数の1位は当然ロシア人となり、1,339,200泊でしたが、前年比17.4%と昨年から大きく落ち込んでいます。2位のスウェーデンが534,200泊ですので、レジャーやショッピングと消費が期待できる隣国のロシア人観光客の影響はかなり大きいと言えるでしょう(図)。このようなフィンランドとロシアのような関係は他にもみられるかもしれません。

フィンランドの‘本物’のサンタクロースはクリスマスシーズンに来日することもあり、日本でもよく知られています。サンタクロースの笑顔とともにクリスマスを迎えたいものです。