30kmを35分

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明治5年(1872年)10月14日、日本で最初の鉄道が開業した時、新橋~横浜間(約30km)にかかった時間は約35分

明治5年(1872年)10月14日、日本で最初の鉄道が開業した時、新橋~横浜間(約30km)にかかった時間は約35分

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明治5年(1872年)10月14日、新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が開業したことを受け、平成6年に、10月14日が「鉄道の日」と定められました。開業時、新橋~横浜間(約30km)にかかった時間は約35分。現在と遜色ないスピードです。ちなみに東海道中膝栗毛で有名な弥次さん喜多さんが最初に宿をとったのは、日本橋から約40kmの距離にある戸塚宿でした。ほぼ一日弱かかっていた距離を30分程度で移動できるようになったのですから、鉄道の開通が当時の人々の生活を大きく変えたことは想像に難くありません。

最近では、鉄道は単なる移動のための足ではなく、鉄道に乗ることが旅の目的となる「観光列車」の人気も上昇傾向にあります。JTB総合研究所が2015年2月に実施した調査では、「乗ってみたい観光列車や新幹線が増え、以前より国内旅行に行きたくなった」と回答した人は全体の25.6%で、60代では30%を超えました。魅力的な鉄道が増えたことが、人々の旅行のモチベーションを上げる要因ともなっているようです。

また、アジアを中心とした新興国の経済発展と共に、日本の鉄道技術を輸出しようという動きも活発になっています。2015年9月、タイの都市鉄道に初めて導入されるJR東日本の車両がバンコクに到着しました。日本の鉄道は、時間の正確さや効率性などにおいて世界でも高い評価を受けていますが、車両、信号・運行監視設備、変電設備、通信設備などのインフラも含めた初の総合的な鉄道技術の輸出は、技術だけでなく日本文化としての鉄道を広げることにも繋がりそうです。過去、鉄道が日本人の生活を大きく変えたように、アジアの人々に快適な移動を提供できることを期待します。

「団塊世代、ポスト団塊世代のライフスタイルと今後の旅行消費に関する調査」