観光列車

かんこうれっしゃ / Tourist Train

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観光列車とは、内外装を凝らし、味覚を楽しみながら旅行が出来るなど、乗ること自体を目的にした列車のこと。北斗星やカシオペア、トワイライトエキスプレスなどの豪華寝台特急が話題を集めたことがあったが、観光地への移動手段は、利便性や所要時間の速さ、運賃の安さなどから、列車から自家用車や航空機、高速バスに代わっていった。一方でJR九州は、内外装を凝らし特徴的な名称を付けた列車を当初から運行していた。そのJR九州が、2013(平成25)年に高級志向をとらえた画期的な列車『クルーズトレイン「ななつ星in九州」』を投入した。観光列車が注目されるようになったのはこの時から。単なる移動手段ではなく、乗ること自体が一つの目的となった列車の登場は、鉄道史上画期的なこと。これ以降、JRなどの鉄道会社は、地域テーマに合わせ内外装を美しく仕上げたラッピング列車や、蒸気機関車やトロッコ列車のレトロ列車など、意匠を凝らした観光列車を競って運行し始めている。

優雅な内外装の豪華列車で極上スイーツを堪能できるJR九州の「或る列車」、地域の食材を使ったフルコースに舌鼓を打ちながら、ゆったりと旅を楽しめる肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」、新潟の名酒で喉を潤しながらひと時を過ごせるJR東日本の「越乃 Shu*Kura」などが人気を集めている。