世界の人口の25%

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地球温暖化でヒマラヤの氷河が溶け出すと世界の人口の25%が影響をうける

地球温暖化でヒマラヤの氷河が溶け出すと世界の人口の25%が影響をうける
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ICIMOD

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世界最高峰のエベレストやK2などヒマラヤの山々の雄大な景色を一生に一度は見てみたいと思う人も多いでしょう。万年雪におおわれた山々を目の前にすれば、氷河の上を一歩一歩進んで世界のてっぺんをめざす冒険家たちは、どんな気持ちなのか想像に難くありません。しかし、最近の研究によれば、ヒンズークシュヒマラヤ(HKH)地域の氷河の45%~90%が、今世紀の間にも失われるかもしれないと言われています。 HKH地域には、ネパール、中国、インド、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、アフガニスタン、パキスタンの8カ国があり、氷河から流れ出る河川は流域の国々を豊かにうるおしてきました。その土地に暮らす人々は19億人と世界の人口の約25%にあたります。気候変動は、山岳地帯に暮らす人々の食料生産に影響を及ぼし、さらにその土地に住めなくなることで、大規模な移住や土地を巡る激しい紛争をもたらす可能性もあります。また、溶け出した氷河の水による海面上昇を考えれば、さらに世界の多くの人々に影響が及びます。

16年前、ネパールとチベットを訪れる機会がありました。多くの人々が標高の高い地域に住んでおり、彼らの暮らす土地の美しい自然の風景を堪能し、地元の人たちと交流することで、彼らの精神的な豊かさを感じることができました。今や、彼らの豊かな生活や収入確保の機会は、当時に比べて急激に減少しています。パリ協定と国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、人類が実現しようと努力するべき正しい方向性を示しています。自然界は助けを求めています。しかしあまりにも多くの人々が自分の生活には影響がないであろうとその兆候を無視しています。私たちは、もはや一個人または一国の利益ではなく、もっと大きな規模で私たちが暮らす地球について考えなければいけません。

2018年に3100万人に達した外国人旅行者に日本が選ばれる理由には、伝統技術やアニメ・漫画そして多様な食文化だけでなく「安全」があります。世界の都市の安全性を示すSafe Cities Indexによれば、世界の60の主要都市の中で東京は1位、大阪は3位にランクされています。もう一つはきれいな空気です。今日、私がこの記事を書いている今、イスラエルのBreezoMeter社の指標によれば、空気のきれいさを最大100ポイントとすれば、東京の数値は68、ニューヨークは63、パリは56、北京は16となっています。日本はまた、地球環境保護のための”良心”とでも言うべきものを持っているのです。

Nature needs us!

(Edo)

Source: ICIMOD, SpringerOpen, CNN, SDGs, CUP, The Economist