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11月1日、中国の50都市で5Gのネットワーク配信サービスが開始されました。10月末までに5Gモバイルデータサービスを予約したユーザーの総数は1,000万人を超えています。

11月1日、中国の50都市で5Gのネットワーク配信サービスが開始されました。10月末までに5Gモバイルデータサービスを予約したユーザーの総数は1,000万人を超えています。

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11月1日、中国の50都市で5G(第5世代セルラーネットワークサービス)が開始されました。大手通信会社の中国モバイル、中国ユニコム、中国テレコムによると、早期割引の制度があったこともあり、10月末までに5Gモバイルデータサービスを予約したユーザーの総数は1,000万人以上でした。

日本では、KDDIとソフトバンクが2020年3月、NTTドコモが2020年春から5Gのサービスを開始する予定ですが、5G技術を利用した実験的なプロジェクトは、すでに始まっています。例えば、今回のラグビーワールドカップ2019日本大会の期間中、NTTドコモは5Gプレサービスとして、全国8会場のスタジアムで、試合を多視点で同時視聴できる「マルチアングル視聴」を提供しました。新しいスポーツ観戦方法として注目です。

4Gと比較し、5Gでは、高速、低消費電力、より高い安定性、低遅延、接続の能力の特殊性などが著しく改善されます。これにより、「4Gは人生を変え、5Gは社会を変える」と言われます。たとえば、アマゾンゴーやアリババの無人スーパーマーケットで、多くの人が一度に買い物をしようとすると、既存の性能ではその負荷に耐えられませんでしたが、5Gにより、そのような問題は改善されていくでしょう。また、2019年6月に開催された「モバイルワールドコングレス上海」では、5G技術が意外なシーンで実用化する可能性も示しました。展示場での目玉の一つは、警察が緊急通報を受けた直後にドローンが現場に到着し、犯罪現場の状況を警察本部にリアルタイムで送信し、警察が被害の拡大を防ぐために迅速に行動を起こすサポートができるというものでした。

5G技術は、旅行体験の向上にも大きな役割を果たすと考えられます。2019年9月にオープンした北京の新しい国際空港では、空港での乗客の動きを向上させるために、中国東方航空およびファーウェイが共同で5G技術を活用する実験を始めました。「顔認証システム」を通じて、旅客はパスポートや身分証明書、紙の搭乗券、電子版搭乗券などを提示せずに、「顔認証」だけで搭乗できるようになり、中国東方航空の発表によれば、全体にかかる時間が約20分に短縮されたとのことです。

中国での5G発売開始後、1ヶ月が経過し、新サービスの問題点も明らかになってきました。1つは、5Gネットワークがまだ建設途上であるため、ネットワークが安定せず、まち中の一部の地域では、通信が途絶えることがあるということです。また、高額な利用料に関する苦情も聞かれます。現在の4Gデータサービスは48RMBであるのに対し、5GBデータサービスは、128RMBかかります(中国モバイルの例)。これらの問題は導入当初には避けられないことかもしれませんが、5Gネットワークの拡大により、解決されていくと思われます。5Gがもたらすプラスの影響はマイナスの影響よりもはるかに大きく、来年日本で5Gサービスが開始になる際には、5Gがもたらす前向きな変化に注目したいと思います。

(ゆい)

【参考】
 NTT DOCOMO
 MWC SHANGHAI
 The Beijing News
 China Mobile