アバターによるリモート接客で売り上げ170%達成

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東急ハンズでは、アバターを活用したリモート接客の実証実験行い、当該商品群の売り上げが前年比170%増となった店舗もあったとのことです。

東急ハンズでは、アバターを活用したリモート接客の実証実験行い、当該商品群の売り上げが前年比170%増となった店舗もあったとのことです。
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東急ハンズ、アバター接客で売上170%も達成 年内には本格導入へ

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コロナ禍による外出や移動制限の結果、オンラインでの買い物が伸びています。一方、ショッピングセンターや百貨店をはじめとする、実店舗で売り上げていたお店には大きな影響が出ています。そのような中、販売員の専門性や接客技術を活かす仕組みとして、リモート接客の取り組みが進んでいます。中でも最近話題になっているのが、インターネット上での自分の「分身」を表す、アバターによるリモート接客です。

様々な生活用品を取り扱う東急ハンズでは、昨年10月から今年3月にかけて、アバターを活用したリモート接客の実証実験が3回行われました。対象商品の売り場に専用の端末を設置し、その商品に関する専門知識を持った複数の販売員が、全国店舗や本社、自宅など様々な場所からアバターを通じて接客を行うものです。来店した顧客は端末の画面から、アバターによる接客を受けることができます。

この仕組みにより、来店した顧客は全国の中から専門性や接客技術において優れた販売員の接客を受けることができます。接客するのは人工知能(AI)ではなく、実際の販売員が対応しており、店舗にいる顧客の様子をカメラから見ながら、臨機応変に要望に合わせた接客が可能です。またコロナ禍がいまだ収束しない中、接客時の距離を気にする必要もなく、利用客からは「アバターの方が気軽に話しかけやすい」という声も聞かれました。その結果、2回目の実証時には当該商品群の売り上げが前年比170%増となった店舗もあったとのことです。

売り上げだけでなく、この接客には中長期的な利点があります。高い専門性や接客技術を持った販売員が、物理的な場所や距離に制約されずに接客できるため、質の高い接客サービスを多方面に届けることができます。販売員は店舗にいなくても顧客の様子を見て、端末から声をかけることができることから、人手が足りない店舗を応援することや、積極的に営業することもできます。さらに販売員は働く場所に囚われずに済むため、働き方の多様性も実現できます。このような仕組みは、コロナ禍が収束したあとも、顧客と販売員双方にメリットのある、新しい接客の一つとして定着する可能性は十分にありそうです。

最近では、JR東日本の駅でもアバターによる遠隔案内の実証が始まりました。また顧客も販売員もアバター同士で接客する、インターネット上のバーチャル店舗についても耳にすることが増えています。店舗側はアバターを使うことにより、各販売員の特徴やシフトなどに依存することなく、安定した接客を提供できます。顧客側は自身がなりたい姿を自由にアバターで表現できます。一方で販売員側からすると顧客の表情や空気感がわかりづらいため、より一層高い接客技術が必要となるかもしれません。

場所や距離の制約がなくなっていく中、店舗側はますます人でなければならないサービスの品質を磨き、また優秀な販売員が働き続けたいと思える組織であることが競争力になると言えそうです。(中)

出典:(株)東急ハンズ 2020年10月14日プレスリリース
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