200店舗に導入予定の「専用」レジ

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オランダのスーパーマーケット2強のひとつである「Jumbo(ユンボ)」は、商品の支払い時に顧客が店員と世間話などを楽しめる「おしゃべり専用レジ」のサービスを発表しました。2021年9月から1年かけて全店舗の約3割に相当する200店舗に導入するとのことです。

オランダのスーパーマーケット2強のひとつである「Jumbo(ユンボ)」は、商品の支払い時に顧客が店員と世間話などを楽しめる「おしゃべり専用レジ」のサービスを発表しました。2021年9月から1年かけて全店舗の約3割に相当する200店舗に導入するとのことです。
Source
Jumbo社プレスリリース「Jumbo geeft startschot voor opening 200 Kletskassa's」(2021.9.27)

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新しい技術が生まれ進化していく中で、わたしたちの生活も否応なく効率化が進んでいます。日常的に利用することが多いスーパーマーケットも例外ではありません。一般社団法人全国スーパーマーケット協会が発表する「スーパーマーケット年次統計調査」によると、顧客自身が商品バーコードの読み取りから支払いまでを行うセルフレジや、支払いのみを行うセミセルフレジを設置する店舗の割合は、年々増加傾向となっています。
そんな中、オランダのスーパーマーケット2強のひとつである「Jumbo(ユンボ)」は、商品の支払い時に顧客が店員と世間話などを楽しめる「おしゃべり専用レジ」のサービスを発表しました。2021年9月から1年かけて全店舗の約3割に相当する200店舗に導入するとのことです。効率化が進む世の中とは一見、逆の戦略に思えますが、どのような意図があるのでしょうか。
Jumboは、社会問題への積極的な取り組みをブランド力の一つと捉えており、他社との差別化を図っています。現在、オランダにおける社会問題の大きな一因が、高齢者の孤独化です。その課題解決の一方策として、支払いだけではなく、「おしゃべり」業務も重要な役割とする店員をレジに配置しました。2019年から一部の店舗で試験的にサービスを始めたところ、パンデミックの最中でも好評であり、200店舗への本格的な導入を決めました。導入にあたっても、孤独化が顕著な地域の店舗を優先すると発表しています。同社は、「(今回の取り組み自体は)小さな取り組みですが、非常に価値のあるものです。特に、デジタル化が進み、変化がますます速くなっている世界では、このような行為が必要なのです。」と語ります。
スーパーはこれまで、生活必需品を購入するための場所であり、効率化が進められてきた業界です。しかし、あえて非効率に見える「おしゃべり」を業務に組み込むことで、「顧客の孤独を解消し、人と人とをつなぐ場としての価値提供も行う」とJumboは決意しました。これからのサービス業のあり方の一つを創造したとも言えそうです。
効率化が進むことで、便利な生活が送れることは事実です。一方で、その便利さから少し離れて、あえて非効率にも見えることに取り組んでみることも、地域のにぎわいにつながるヒントになるかもしれません。(みや)

<参考>
Jumbo社プレスリリース「Jumbo geeft startschot voor opening 200 Kletskassa’s」(2021.9.27)
https://nieuws.jumbo.com/persbericht/jumbo-geeft-startschot-voor-opening-200-kletskassas/616/
一般社団法人全国スーパーマーケット協会「スーパーマーケット年次統計調査」
http://www.super.or.jp/?page_id=4223