3連休の過ごし方と旅行についての調査レポート

~もしも今から1カ月後に3連休がとれたら、あなたは何をしたいですか?~

PDF全文を読む

結果概要

  • いちばんやりたいこと 1.泊りがけ旅行24.7% 2.家事16.9% 3.日帰りの旅行12.4%
  • 泊りがけ旅行選択者のうち、1泊2日が52.6%、2泊3日は36%
  • 旅行意向が強いのは 20代女性 と 60代男女
  • 20代男性で旅行意向が強い人は、時間もお金もめいっぱい使いたい

2012年も残りわずか1か月となった。今年は、前年の震災の復興需要や節電・節約ムードへの反動から、個人の消費が多少緩む傾向が見られたが、一方で政治の混迷や景気の低迷など、先行きへの不透明感や将来への不安感が拭えない1年だったといえよう。

旅行に関わる消費に関しては、日本人出国者数は過去最高の2000年を上回る1800万人を超える見通しとなり、また、主要旅行会社の国内・海外の募集型企画旅行(パッケージツアー)が共に前年比2ケタ増の伸びをみせている(図表1、2)。 今年は祝日が土曜日にあたる日が多く、前年と比べると2012年は建国記念の日、秋分の日、文化の日が土曜日と重なり、GW・正月を除く週末の3連休が5回と2011年より3回少なくなっている。それにも関わらず旅行消費が伸長しているということは、震災による消費や娯楽控えの反動だけとは言い切れず、旅行意欲の高まりが顕著になった年といえるだろう。

日本は有給休暇の取得日数は世界では下位だが、祝日は多い国だ。連休を利用して気軽に旅行に行けるのは、祝日の多さの恩恵とも言える。3連休を迎えるときは気持ちがわくわくするものだが、家事、買物、旅行など、様々に思い浮かぶ「やりたいこと」に生活者はどのような優先順位をつけ、どの程度の予算で、どんな過ごし方をしているのだろうか?

 

図表1:2012年日本人出国者数

図表1:2012年日本人出国者数

 

図表2:旅行商品ブランド(募集型企画旅行)の取扱状況(2012年1~9月累計)

図表2:旅行商品ブランド(募集型企画旅行)の取扱状況(2012年1~9月累計)

 

1. 「まとめて家事をする」は重要タスク。いちばんやりたいことは「泊まりがけの旅行」で全体の4分の1
「今から1ヶ月後に3連休がとれたら何をしたいか」の複数回答で最も多かったのは「家の片づけや掃除など、家事をまとめてする」(39.5%)。やりたくても満足にできなかった家事を集中的に行うことはまとまった休みにやるべき事項のひとつといえる(図表3)。2位、3位は旅行関連が占め、「泊まりがけの旅行・お出掛け」(35.7%)と「日帰りの旅行・お出掛け」(34.7%)と続く。

この中で、「もっとも優先してやりたいこと」ひとつに絞ってもらうと、「泊まりがけの旅行・お出掛け」と回答する人が最も多かった(図表4)。「泊まりがけの旅行・お出掛け」(24.7%)は全体の約四分の一、「日帰りの旅行・お出掛け」(12.4%)の約2倍となった。日帰り旅行と宿泊旅行の合計で37.1%と、3分の1以上の人が「3連休には旅行に行きたい」と考えている。一方、複数解答で4位だった「たくさん寝る」も10%近くにのぼり、これも3連休の贅沢な使い方のひとつと言えそうだ。

 

図表3:今から1ヶ月後に3連休がとれたら、何をしたいか(複数回答)n=1,861/MT=2.87

図表3:今から1ヶ月後に3連休がとれたら、何をしたいか(複数回答)n=1,861/MT=2.87

 

図表4:今から1ヶ月後に3連休がとれたら、最も優先してやりたいこと(単数回答)n=1,861

図表4:今から1ヶ月後に3連休がとれたら、最も優先してやりたいこと(単数回答)n=1,861

 

2. 20代女性と熟高年層は旅行に積極的。
40代はお疲れさま!で「たくさん寝る」。家でダラダラ楽しみたい20代男性。
この、最も優先してやりたいことを性年齢層別にみると、「泊まりがけの旅行・お出掛け」の比率が高いのは20代と50歳以上の女性と、60代男性である(図表5)。30~40代女性はこの比率が低い代わりに「日帰りの旅行・お出掛け」が他の層よりもやや多く、子育て等家庭の事情により泊まりがけで家を空けにくいと考える女性が多いことが想像できる。なお、40代は仕事や育児、あるいは子供の進学など、あらゆる場面で多忙な世代だ。この年齢層は「たくさん寝る」が男女ともに10%を超え、贅沢に休んでまずは疲れを癒したいという切実な欲求も垣間見える。

20代の男性は、旅行に積極的な層が全体の21.5%と他の過ごし方を好む層より多く存在する。しかしながら、「自分の家で楽しむ」が全体平均の2倍の20.2%と極めて高く、「たくさん寝る」の12.9%と合わせると全体の約三分の一となり、“家でダラダラ派”の多さが際立つ。

 

図表5:今から1ヶ月後に3連休がとれたら、最も優先してやりたいこと(単数回答/性・年齢層別/項目抜粋)n=1,861

図表5:今から1ヶ月後に3連休がとれたら、最も優先してやりたいこと(単数回答/性・年齢層別/項目抜粋)n=1,861

 

3. 3連休のうち何泊の旅行がしたいかは「1泊2日」が53%。2泊3日で旅行したいのは20代と60代
複数解答で「泊まりがけの旅行」を選択した人に、何泊の旅行を想定しているか尋ねたところ、「1泊2日」が52.6%、2泊以上の“めいっぱい旅行する派”は47.4%と、ほぼ同率となった(図表6)。「1泊2日」の人の中で、3連休の最後の2日を使って旅行したいと答えた人はわずか2.6%にすぎず、1泊旅行の場合、最後の休日は家事や休息など、休み明けに疲れを残さないように近場で過ごしたいという気持ちの現れとみることができそうだ。

これを性年齢層別にみると、2泊3日以上の“めいっぱい旅行する派”が50%を超えるのは20代と60代に限られる(図表7)。特筆すべきは、20代の「3連休の前日から出掛けて3泊4日」の比率は全体平均を大きく上回り、20%弱となったこと。体力に余裕がある20代と、子供が手離れして仕事に追われることが減った60代は、折角の休日にすべきことをあれこれ分散するよりも、時間をかけてじっくり旅行を満喫することが可能なのかもしれない。

 

図表6:「泊まりがけの旅行」は何泊くらいがいいか(単数回答) n=664

図表6:「泊まりがけの旅行」は何泊くらいがいいか(単数回答) n=664

 

図表7:「泊まりがけの旅行」は何泊くらいがいいか(単数回答/年齢層別) n=664

図表7:「泊まりがけの旅行」は何泊くらいがいいか(単数回答/年齢層別) n=664

 

4. 30代は節約旅行?「日帰り旅行」と「楽しむための買物」は大体同じ予算
では、3連休でやりたいことに対しての予算はどのように割り振られるのだろうか。「○○をするための予算」(一人あたりではない)として自由に金額を記入してもらったところ、「泊まりがけの旅行・お出掛け」については、「1~3万円未満」「3~5万円未満」「5~10万円未満」の区切りで想定しているだろうことが読みとれた(図表8)。ここで「3万円未満」を選んだのは、男女ともに、30代、20代の順に多く、“若年層ほど少ない費用で旅行する”とは限らないとわかる(図表9)。

「日帰りの旅行・お出掛け」と「楽しむための買物」にかける予算感覚は類似しており、1~2万円が主流でそれぞれ40%前後、2万円未満が約四分の三となっている。また、「友人たちと会う、外食する」と「映画など近場で趣味を楽しむ」については、3,000~5,000円未満がそれぞれ約25%、5,000~1万円未満が30%代前半と、一定程度の出費を想定している人の予算感は類似している。“近場で遊ぶ”“友人と遊ぶ”は1万円でお釣りがくる感覚のようだ。

 

図表8:3連休でやりたいことについて、それぞれにいくらくらいお金をかけるか(自由回答)

図表8:3連休でやりたいことについて、それぞれにいくらくらいお金をかけるか(自由回答)

 

図表9:3連休でやりたいことについて、「泊まりがけの旅行・お出掛け」にいくらくらいお金をかけるか(自由回答・性年齢層別) n=664

図表9:3連休でやりたいことについて、「泊まりがけの旅行・お出掛け」にいくらくらいお金をかけるか(自由回答・性年齢層別) n=664

 

やりたいことが沢山ある3連休において、旅行を最優先と捉える人の比率はやはり高い。各家庭の経済状況もさりながら、家族構成や生活スタイルが、希望する旅行の費用や長さに大きく影響を及ぼしているようだ。昨今よく言われているような“巣籠り型”の20代男性の姿も顕著ではあるが、旅行意向の高い20代男性は、「休みをフルに使って長く旅行したい」というアクティブな層がかなりいることも明らかになった。また、20代が旅行にお金をかけない、ということもない。体力に余裕があって、翌日が仕事でも乗り切れる自信がある分だけ、連休をフルに使って存分に旅行を満喫する意向が強い。一方で、熟年層には、旅行に専念できる時間の余裕がある。たまの3連休に子供の世話や買い物や旅行やマッサージなど、必要なことを分散して片づけなければならない30~40代の忙しさとは対照的だ。アクティブな若年層や熟高年層のための連泊プランや、幼い子連れでも負担の少ない宿や観光施設情報の集約・周知など、世代ごとのニーズに合った旅行情報・旅行商品に容易にアクセスできる環境が整えば、迷っている人の背中を押すこともできるだろう。

ただし、この調査結果にみる休日の行動意向が現実のものとなるためには、一緒に旅行に行ける家族や恋人、待ち合わせする友人など、身近な人と休日が合致してなくてはならない。実際、休みが取れない・休みが合わないなどの理由が旅行や消費の障壁になるケースは非常に多い。日本はアメリカやドイツなどと比較して、祝日の数は多いものの、反面、一斉に休むという行為が習慣となったために、それ以外に自主的に休日を取る職場風土が育っていないとも言える。勿論、すべての人が暦通りの休日を取得できるわけではない。だからこそ、誰かが誰かに “休日を合わせる”ことができる環境づくりが必須となる。有給休暇の取得や勤務シフトの調整を推奨する個々の企業の取り組みが重要であることはもちろん、それらの取り組みを推奨あるいは一定程度の義務化をする国単位での仕組みづくりが、人の交流の促進や消費の後押しとなろう。

 >> 調査結果をPDFでダウンロードする

調査期間  2012年10月2日(火)~10月5日(金)
調査対象者 日本国内居住者 20歳以上男女 計1,861名 (ランダム抽出)
調査協力  株式会社バルク

調査・研究結果 本文

右上のアイコンをクリックすると、大きい画面で閲覧したり、PDFファイルのダウンロード・印刷ができます。

調査概要

調査期間
2012年10月2日(火)~10月5日(金)
調査対象者
日本国内居住者 20歳以上男女 計1,861名 (ランダム抽出)
調査協力
株式会社バルク

調査に関するお問い合わせ

株式会社JTB総合研究所
〒105-0014 東京都港区芝3-23-1セレスティン芝三井ビルディング12階
03-6722-0759