海外観光旅行の現状2018

PDF全文を読む

結果概要

  • 好調な日本人の海外旅行と旅行者の姿
    • 2017年の日本人海外旅行者数は過去2番目、18年5月累計も3.9%増で推移。20代男女の出国率が伸長、東アジアへのシフトがさらに進む。シニア世代の伸びは低い(法務省出入国管理統計)
    • 海外旅行に年1回、主体的に出かける“海外旅行コア層”の割合が減り、“準コア層”、“ライト層”が増加
      “準コア層”、“ライト層”は周囲の誘いやライフステージの節目で動く
      直近の旅行形態はFIT(個人手配旅行)が43.9%と前年から減少、ツアーの割合が増える
    • 今後海外旅行に行かないのは、団塊世代、キネマ世代で体調不良や体力の衰えに起因
      プレゆとりは出産、子育てなど家族のサポートに起因。海外旅行の世代交代も進む
    • 旅行会社の店舗で購入・申込み“若い世代が主流”が定着。若い世代は候補となる商品を店舗で紹介されて知ることも多い。旅行会社のウェブサイトは60代以上男女、50代女性の利用が多い
  • 旅行商品の選択を左右するもの、商品ブランドと会社名への意識
    • 候補となる旅行商品を見つける場所は、各種ウェブサイト(航空会社、OTA、旅行会社)、価格比較サイトが多い。テレビコマーシャルやウェブ広告(インターネット・リスティング広告)は、30代以下の若い男性に多い
    • 旅行商品の選択理由は最多が「価格が一番安かったので」。ただし、60代以上男女は価格よりも「長年利用している会社・商品ブランドだから」が最も多い。次世代以降は会社・商品ブランドへの意識は急に下がる
    • 旅行商品の購入に「商品ブランドも会社名も意識する」は39.8%、「会社名は意識するが商品ブランドは意識して選んでいない」が27.7%と続く。ただし、40代男女は「会社名も商品ブランドも意識していない」が、20代以下の女性は「会社名は意識するが商品ブランドは意識しない」が最も多く、意識の違いは「旅行形態」や「購入先」、「候補となる商品を見つけるところ」とも関連する
    • 商品ブランド名に会社名がついているところは認知度が高く、また各商品ブランドが主要ターゲットとする層には認知が高くなっている(例、TRAPICSの認知度は 20代以下女性9.7%、60代以上女性60.2%)
  • これからの海外旅行をけん引する旅行者像
    • ポストミレニアル世代の海外旅行者から、初めての海外旅行は家族旅行、学校の旅行が急増
    • 経済や時間といった制約がなければ行きたい国は、ハワイ、イタリア、フランス、北欧、オーストラリア、スペインの順で多い。若い世代もハワイやヨーロッパ旅行への希望は他世代に負けず高い

(株)JTB総合研究所(東京都港区 代表取締役社長 野澤 肇)は、「海外観光旅行の現状2018」の調査研究をまとめました。当社は生活者の消費行動と旅行に関する調査分析を多様な視点で継続的に行っています。

今、日本人の海外旅行が好調です。2017年の海外旅行者数は1,789万人と過去2番目の数字となりました。今年にはいってからも、1月~5月の累計で736万人と前年比3.9%増で推移し、このまま行けば過去最高の2012年の1,849万人に限りなく迫ると考えられます。2012年当時を振り返ってみると、海外旅行消費にプラスに働く超円高であったものの(2012年6月末1USD=80.31円、2018年6月末1USD=111.54円 三菱UFJ銀行)、リーマンショックや東日本大震災で景気自体は低迷し、また国際関係の影響で中国、韓国への旅行者が大幅に減少し始めていました。現在は円安に転じてはいるものの、多くの企業の業績は好調で夏の賞与も伸び、失業率も改善していることから、海外旅行の意欲にはマイナスに働いていないと考えられます。また中国とのビジネス拡大に伴う交流人口の増大、そして第三次韓流ブームの影響と、両国への旅行者数も回復基調です。アジアと日本の各都市を結ぶLCCの就航もインバウンドのみならず日本人旅行者の利用機会を増やし、海外旅行を取り巻く環境は好転しているといえそうです。

その一方で、これまで海外旅行をけん引してきた団塊世代の多くが70代にはいってきたこと、物心ついた時からスマートフォンに慣れ親しみ、価値観や消費に影響力を持つと世界的に注目されているミレニアル世代の台頭、さらに次の世代(ポストミレニアル世代)が成人にさしかかり、また、海外旅行者の顔ぶれはここ数年で大きく変わりつつあります。テクノロジーの進化は流通システムを大きく変えるとともに新しいビジネスモデルを生み、旅行分野で業種を超えた競争は激化しています。多くの旅行者が利用していた旅行会社のパッケージツアー(旅行商品ブランド)に加え、海外のOTAが日本市場に広がり、旅行の内容も予約方法も多様化が進んでいます。

本調査研究では、旅行者の姿をより詳細に可視化するために、これまで積み重ねてきた世代の行動や価値観を踏まえた分析を行うとともに、ネット上の旅行予約の手段が多様化する中、従来の旅行会社のパッケージツアー(旅行商品ブランド)に対する旅行者の意識や商品情報の接点に変化がないのかを検証し、2,000万人に向けた海外旅行者の拡大に必要なことは何かをひも解いていきます。

性年齢別出国率の推移

(参考)性年齢別出国率の推移(資料:法務省「出入国管理統計」/総務省統計局「10月1日現在推計人口」)

調査・研究結果 本文

右上のアイコンをクリックすると、大きい画面で閲覧したり、PDFファイルのダウンロード・印刷ができます。
ダウンロードはこちら

調査概要

調査方法:
インターネットアンケート調査
スクリーニング調査対象者:
   全国に居住する18~79歳の男女 30,000人へのインターネットアンケート調査
本調査対象者:
   スクリーニング調査対象者の中で、2017年1月以降2018年6月までに海外観光旅行(ビジネス旅行を除く)をした人 2,060名
調査期間:
2018年6月27日~6月30日

調査に関するお問い合わせ

株式会社JTB総合研究所
〒105-0014 東京都港区芝3-23-1セレスティン芝三井ビルディング12階
03-6722-0759