「歴史的な建築物がある集落や町並み (重要伝統的建造物群保存地区)」での観光に関する調査

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結果概要

  • 関心のある集落・町並みは「城下町・商家町」、「寺町・門前町」、「近代の洋館」

    若い人ほど関心は低くなり、20代男女は4割が「訪問したくない、わからない」

  • 直近で訪れた「重要伝統的建造物群保存地区」の滞在時間は2時間未満36.7%

    直近の宿泊経験は12.6%。滞在時間を延ばすには、狭い域内でどう過ごしてもらうかが課題

  • 「地区内での昼食」が、再訪や滞在時間など消費拡大への重要要素
  • 訪問経験のある20代男性は「保存への協力」や「中長期滞在」意向が高い
  • 保存地区の管理・運営者の課題は「空き家の活用」と「交通アクセス」の改善

(株)JTB総合研究所(東京都港区 代表取締役 社長執行役員 野澤肇)は、「歴史的な建築物がある町並みに関する調査」を実施しました。当社は、生活者のライフスタイルや価値観が消費行動や旅行に与える影響に関する調査分析を継続的に行っています。

全国各地には城下町、宿場町、門前町のような歴史的な建築物のある集落や町並みが多く保存されています。そのうち現在98市町村118地区が国により重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。これらには川越市や京都市(産寧坂、祇園新橋、嵯峨鳥居本、上賀茂)、白川村(白川郷)などのようにいつも多くの観光客でにぎわっている地区もあれば、生活の場として静かなたたずまいを残す地区もあります。最近は町並みを保存するだけではなく、もっと積極的に活用して交流人口を増やしていこうという動きが多くの地区で見られるようになってきました。 国も「明日の日本を支える観光ビジョン」で、“文化財の観光資源としての開花”を掲げ、観光資源の魅力強化と地方創生に向けた支援を始めています。

本調査では、「歴史的な建築物がある集落や町並み」について旅行者の動きや訪問意向などを把握するため、重要伝統的建造物群保存地区への旅行者アンケートおよび地区の管理運営に関わる組織・団体へのアンケートから、今後の可能性を探ります。なお、訪問経験などについての調査対象地区は、「重要伝統的建造物群保存地区」の種類ごとに29の地区をランダムに選択しましたが、今後の可能性という観点から大都市および既に多くの観光客が訪れる有名観光地は対象外としました。

調査・研究結果 本文

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調査概要

1.旅行者へのインターネット・アンケート調査
(実施期間)2019年5月10日~5月17日
(調査対象)
スクリーニング調査:全国に居住する20~79歳の男女 10,000名
本調査:全国に居住する20~79歳の男女、過去1年間に1回以上宿泊を伴う旅行をしたことがある。
「歴史的な建築物がある町並み」を訪れることに全く興味がない人を除く
対象とする29地域(下表)のいずれかを訪れたことがある 1,030名


伝統建築群

2.管理・運営者へのインターネット・アンケート調査
(実施期間)2019年5月21日~5月28日
(調査対象)全国の重要伝統的建造物群保存地区の管理・運営に関わる組織や団体のうち、回答を得た23件

調査に関するお問い合わせ

株式会社JTB総合研究所
〒140-0002東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス7F
03-6260-1211