東日本大震災後の生活行動や消費の変化に関する調査

PDF全文を読む

結果概要

  • 4人に1人が、最近の日常生活の行動が、震災前と比べて変化したと感じている

    節電の心掛け81.5% インターネット利用の時間の増加3.2%

  • 震災後に初めて経験したこと 「被災地の商品購入」、「食材・水の産地安全性確認」

    まずは自分の身の回りでできることから 被災地ボランティアの関心も高まる

(株)JTB総合研究所(東京都千代田区 代表取締役社長 日比野健)では、東日本大震災以降の、日常生活における行動や消費に関するインターネット調査を実施しました。

東日本大震災後の生活行動や消費に関しては、「社会に役立つことを志向するようになった」「人とのつながりを重視するようになった」など、様々なことが言われています。また、自粛より消費が間接的に支援になるという意識がこの震災を機に浸透してきたようです。消費者の意識はどのように変化したのでしょうか。
当社では、2011年に業務出張以外の旅行消費をした人、つまり生活圏内外での消費活動に対し、比較的積極的だと思われる消費者を対象に、震災後の生活行動や消費に関する意識についての調査を実施しました。

25.9%が、最近の日常生活における行動が、地震発生前と比べて変化したと感じている
変化の内容は、「節電の心掛け」「インターネット利用の時間の増加」「外食の頻度減少」の順

「東日本大震災後、日常生活における行動に変化があったか」、という問いに対して、全体の54.4%が、震災後に何らかの変化があったと答えています。そのうちの約半分、全体の25.9%(4人に1人)にあたる人が、最近も地震発生前と比べて変化したまま、元に戻っていないという回答をしています(図1)。

これを地域別(首都圏、中京、京阪神)で見た場合、首都圏は68.4%の人が、震災後に行動が変化したと答えており、中京(43.5%)、京阪神(38.3%)に比べて、震災が生活に大きく影を及ぼしたことがわかります。ただ、首都圏地区の、震災後に行動が変化した人のうち、半数以上、全体の38.8%が「現在は完全に震災以前と同じ状態に戻っている」と答えました。変化がなかったと答えた人と合わせると、約7割が震災前と同じ状態に戻っていると感じており、中京、京阪神との差は大きくありません(図2)。

行動が変化した内容として、最も多かった回答は、「家庭や職場での節電を心掛けた」(81.5%)でした。 夏の電力不足や電気代の値上げが毎日のように報道され、公共の施設や店舗などでの節電も珍しくない現在、節電は、ごく日常的な意識の中にあるものと言えるでしょう。
節電以外の項目では、「インターネット上の情報を見る時間が増えた」(32.0%)、「テレビを見る時間が増えた」(18.5%)など、情報を求める意識や、「家に早く帰るようになった」(18.5%)、「家族・友人と過ごす時間が増えた」(15.4%)といった、身近な人との時間を大切にしたい意識が上位に上がりました(図3)。

このことから、まだ完全には払しょくされていない不安を解消するために安全に関する情報を収集したり、身近な人との関係を強化したり、物理的にも心理的にも身近な「安全地帯」を確保したい、という意識が見え隠れします。

図1
「東日本大震災後、日常生活における行動に変化があったか」

図2
「東日本大震災後、日常生活における行動に変化があったか」

図3         複数回答
「東日本大震災後の日常生活における変化」

調査・研究結果 本文

右上のアイコンをクリックすると、大きい画面で閲覧したり、PDFファイルのダウンロード・印刷ができます。
ダウンロードはこちら

調査概要

調査対象者
2011 年の 1 年間(1 月~12 月)に業務出張以外の旅行をした人 1,000 サンプル

(年齢層別、男女別 1 セル 100。 関東圏 500、関西圏 300、中京圏 200)
調査方法
インターネットアンケート調査
調査時期
2012 年 5 月 7 日~5 月 9 日

調査に関するお問い合わせ

株式会社JTB総合研究所
〒140-0002東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス7F
03-6260-1211