過酷な暑さが影響を及ぼすのは人間だけでなく、あの動物も。
40℃を超える「酷暑日」も珍しくない近年の夏における観光では、歴史ある祭りやイベントも様々な対策をしています。そして暑さの影響は、人間だけでなく動物たちにも広がっています。
40℃を超える「酷暑日」を5日連続で記録するなど、今年の夏も厳しい暑さに見舞われています。年々過酷さを増す夏の暑さは、人間だけでなくさまざまな動物にも影響を及ぼしており、動物園では遮光ネットやミストの設置などの対策が取られています。中でも馬は、筋肉量が多く熱がこもりやすいことなどから暑さの影響を受けやすい動物です。古来より日本の文化と深く関わり、各地の伝統行事や競馬など観光シーンにもたびたび登場するだけに、こうした場面においても、さまざまな配慮や対策が進められています。本コラムでは、2つの例を紹介します。
1. 時期の分散
近年の厳しい夏の暑さの影響を受けて、夏の名物であった伝統行事の開催時期を見直す事例が出てきています。福島県相馬地方で開催される相馬野馬追は、2024年に開催時期を「7月最終土日月曜日」から「5月最終土日月曜日」へと変更しました。その理由として執行委員会は、2023年2月の総会において「近年の温暖化による人馬への影響を考慮し、開催日程の変更について検討を進める」ことを決定しており、7月に開催された相馬野馬追にて2頭の馬が亡くなったことを踏まえ、翌年から日程を変更したと説明しています1)。さまざまな対応を追加していたにも関わらず熱中症を防ぐことが難しかったこの事例は、近年の暑さが極めて過酷であることを物語っています。
2. 時間の分散
オーバーツーリズム対策などで広がっている時間の分散は、暑さ対策でも注目されており、日本中央競馬会(JRA)は人馬への負担を踏まえて対策を導入しています。2024年、JRAは第2回新潟競馬の発走時刻について、最終競走を繰り下げたうえで、気温が特に高い時間帯での競馬を休止する「競走時間帯の拡大」を実施しており、11時30分頃~15時10分頃に休止時間を設けました2)。「競走時間帯の拡大」は2026年も導入されており、期間が2週間から6週間に、会場が新潟競馬場に加えて中京競馬場の2会場に拡大しています。実施期間が6週間に拡大したことは、暑い期間が長引き「二季化」が進む近年の気候の変化への対応と言えます。
今回は馬に焦点を当てた事例でしたが、ますます暑くなる近年の夏は人にとっても厳しい季節です。日傘や打ち水などで暑さを和らげる工夫に加え、旅行の時期や時間帯を分散させるなどの暑さそのものを避ける視点を取り入れることで、暑さによる負荷を減らすことができます。暑さと上手に付き合いながら、それぞれのスタイルで快適な夏の旅を楽しみましょう。
<参考文献>
1)一般社団法人相馬野馬追「相馬野馬追開始日程の変更につきまして」
https://cms.soma-nomaoi.jp/wp-content/uploads/2023/11/0a49a6bc82cafc457bd658d462ac2cd9-2.pdf
2)日本中央競馬会「2024年度競馬番組における新たな暑熱対策について」
https://www.jra.go.jp/keiba/program/2024/pdf/taisaku.pdf









