クロス・ツーリズム ロゴ “Tourism×食”~ガストロノミーによる地域づくりの新たな可能性を探る~JTB総研・旅行トレンドLIVEより(前編)

地域ならではの食や食文化を観光振興や地域活性化に対してどのように活用すべきかをテーマに、2023年3月7日に「JTB総研・旅行トレンドLIVE」を開催し、九州産業大学 地域共創学部観光学科准教授 本田 正明 氏、福岡県糸島市にて「またいちの塩」の製造にたずさわる新三郎商店株式会社代表 平川 秀一 氏、一般社団法人日本ガストロノミー学会設立代表/FOOD LOSS BANK代表取締役CEO 山田 早輝子 氏にお話しいただきました。これをもとに、ガストロノミーツーリズムへの取り組みにおける考え方や課題等について、必要なポイントをまとめました。本コラムは2回に分けてお送りする予定で、今回は前編となります。

牧野 博明

牧野 博明 主任研究員

印刷する

目次

1.『第7回ガストロノミーツーリズム世界フォーラム(奈良県)』について(小澤 信夫)

小澤 信夫

小澤 信夫

(株)JTB総合研究所 グローバル・マーケティング室 主任研究員
1974年大阪市生まれ。1998年(株)日本交通公社入社後、営業部門、国内企画商品造成部門、訪日インバウンド事業に携わる。2017年2月より国連世界観光機関(UNWTO)へ観光庁の推薦で派遣。2020年3月までの3年間、アジア太平洋部門のシニアプロジェクトスペシャリストとしてアジア太平洋観光行政部門の窓口を務めた。2030年SDGs:持続可能な開発目標の達成を一つの契機と捉え、”持続可能性”をキーワードに地域の観光計画策定やサステナブル化支援、各種調査などに従事している。

 

  1. ガストロノミーツーリズムの定義
  2. UNWTO(国連世界観光機関)ではガイドラインを設けており、その中で次のように定義しています。
    「観光客の体験・活動が、食や食材に関連付いていることを特徴とする。本格的、伝統的又は革新的な料理体験と併せて、ガストロノミーツーリズムには地域の産地訪問、食に関するフェスティバルへの参加、料理教室への参加など、他の関連活動を含む場合もある。ガストロノミーツーリズムの一種であるワインツーリズムは、ブドウ園やワイナリーの訪問、テイスティング、ワイン産地近隣でのワインの消費または購入を観光の目的とする」。
     

  3. ガストロノミーツーリズムを端的に表すと
  4. 「その地域特有の食文化を「知る・学ぶ・味わう・楽しむ」」という表現が最も適しているように思います。具体的には、「地域の特色を打ち出したテーマやストーリーを創り、伝えることができる」、「訪問者に地域独自の新たな価値観・体験を提供することでより魅力的な観光資源の開発につなげる」、そして最も大事なことである「地域の発展や経済に貢献する」。これらはいずれもガストロノミーツーリズムが持つ力だと思います。
     

  5. 第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム(奈良県)報告
  6. 2022年12月12日~15日に、日本で初めて奈良県にて開催されました。テーマは「人と地球のためのガストロノミーツーリズム:革新し、活躍を推進して、維持する」で、約30か国から450名以上の方々にご来場いただきました(国内300名、海外150名)。オンラインでは、125か国から1,000人以上の参加があったということです。内容については、「持続可能な社会の発展」、「価値ある資源としての食材利用」、「若手と女性の活躍の推進」、「人材育成におけるガストロノミーツーリズムの役割」について、有識者の方々をお招きしたうえで活発な議論を行いました。開催概要は、UNWTOのホームページで確認できます。少しだけ議論内容をご紹介しますと、UNWTO事務局長は「今回のフォーラムを通じて、世界中のベストプラクティスを共有して人材課題、サステナビリティ課題、イノベーション課題、社会包摂課題に取り組んでいくことが重要で、ガストロノミーツーリズムは大きな貢献ができる」とおっしゃいました。それから共催者のバスク・カリナリーセンター(スペイン)学長は、「ガストロノミーは多くの課題に直面しているが、同時に多くのチャンスもある。今回のフォーラムを通じて、ガストロノミーツーリズム部門の複雑性を取り上げ、その大きな可能性を反映させた」という話をされました。そしてホストである奈良県の荒井正吾知事(当時)は、「本世界フォーラムで議論したことは、地域社会や地域社会の持続可能な発展のために非常に重要なことだと考えている。今回のフォーラムで提供された新しいアイデアや洞察の交流に刺激を受けた」とおっしゃいました。
     本フォーラムでは、UNWTOとBCC(バスク・カリナリーセンター)より、次の10のKey Takeaways(重要な観点)が示されました。「①もののあわれ」は、物事に永遠なものなどなく、だからこそ今を大事にしていこうという意味になります。「②守破離(しゅはり)」については、修行や師弟関係のあり方についてお話をされていました。「③かいぜん」は、文字通り「改善」で、新しいものをより良いものに仕立てていくことです。「④おもてなし」は体験が大事で、そこから得られる褒賞を期待せずに質の高いサービスを提供していくということです。「⑤わび・さび」は、全てのものは完全ではなく、それを受け入れながらやっていかなければならないということです。「⑥もったいない」は、無駄をせずに全てのものに対して感謝を忘れずにやっていくということです。「⑦ガマン」は旧態依然の状態から脱却するために色々やっていき、それまでは我慢しようということです。「⑧一期一会」は、二度と同じことが起こることはないので、出会いを大事にしていこうということです。「⑨自然」については、人と自然と繋がっていることを忘れることなく、地産地消の考え方をもっと進める必要があるということです。最後の「⑩生き甲斐」は、目的を持って情熱的に生きていこうということです。
     最後に、この世界フォーラムを通じて改めて感じたことをお伝えいたします。「ガストロノミーとツーリズムの出会いとシナジー」については、まずはその土地を訪れることから始まるのではないかと考えます。地域の人々や文化に触れていくことで、新しい価値観や満足感が醸成されていくように思います。その土地を訪れることによって、ガストロノミーとツーリズムのシナジーが生まれ、例えばそこに住む人々と旅人の出会いを契機に、双方とも幸福感や満足感、豊かさといったものがもたらされる。そこにガストロノミーツーリズムが大きく貢献できるのではないかと思います。

    2. 糸島のガストロノミーツーリズム ~その発展プロセスからカラクリを紐とく~(本田 正明 氏、平川 秀一 氏)

    本田 正明 氏

    本田 正明 氏

    九州産業大学 地域共創学部観光学科 准教授/暮らしとなりわいづくり研究所 代表
    年福岡市博多区生まれ。2001年に九州大学大学院工学研究科を卒業後、地域づくり、まちづくりのコンサルタントとして、九州大学学術研究都市構想や九州芸文館などの文化芸術施設の企画運営など、大学・地域などの連携・交流事業に携わる。2018年に独立し「暮らしとなりわいづくり研究所」を設立。福岡県糸島市を中心に地域の担い手減少や観光客の騒音や渋滞に悩む集落での地域課題解決型プロジェクトに取り組む。2022年に九州産業大学地域共創学部観光学科の准教授に就任し、問題解決型教育(PBL)を行う。

    平川 秀一 氏

    平川 秀一 氏

    新三郎商店株式会社 代表
    年福岡市城南区生まれ。20歳よりロンドン、スウェーデン、カナダなどで料理人として経験を積み、帰国後は、和食の料理人として活躍。2000年に「またいちの塩」を製造する『工房とったん』を糸島市に構え、塩づくりを開始。2006年、塩の美味しさを伝えたいと、ごはんや『イタル』をオープン。その後、2020年同敷地内に軽食をいただける『sumi cafe』や、雑貨を扱う『新三郎商店』をオープン。2021年に「おしのちいたま 塩そば」をオープン。

     

    1. 糸島について
    2. 糸島市は福岡市の西隣にある市で、人口は約10万人です。糸島は”島”だと思っている方もいらっしゃると思いますが、正確には島ではなく半島です。福岡市に隣接しているため、交通の便は良く、福岡市内から車で30~40分くらい、福岡空港までは電車一本で行くことができます。
       

    3. 糸島のツーリズムについて
    4. 糸島の大きな特徴は「海」で、沖縄やハワイのような「海のきれいな街」という認識を福岡市近郊の方々にされているようです。次の特徴としては、クラフト工房が挙げられます。多くのクリエイターが居住しており、クラフトフェスなどのイベントも行われます。市内には80軒以上の工房が立地しており、皮製品やアクセサリー、木工製品などを製作する人が多数存在します。そして視点を変えると、音楽フェスやサンセットライブが行われる「海に夕日が沈む場所」も特徴と言えます。このように、「若い人も訪れる街」という印象があります。そして、本セミナーのメインテーマである「産直」「食」の魅力も非常に大きいという特徴を有しています。「花卉」「野菜」「果実」なども非常に多く生産されています。なかでも産直市場の「伊都菜彩(いとさいさい)」は売り上げ日本一のJA直売所であり、ほかにも4億円以上を売り上げている直売所も存在します。このように、糸島の魅力は「多様性」で成り立っていると思います。
       

    5. 糸島の食の魅力
    6. 糸島の食の魅力について掘り下げる前に、糸島への来訪の目的の中で食がどの程度の割合を占めているのか確認したいと思います。糸島への来訪者の目的別割合を見ますと、産直目的の方々が40%を超えており、飲食店やかき小屋目的を含めますと来訪者の実に6割近くが食を目的に糸島に訪れているということが分かります。また、年齢層別に見てみますと、20代から60代の各年代において、食を目的に訪れる人はいずれも一定程度みられます。このように、年齢層が幅広いことも糸島の食の特徴と言えます。

      carbon-neutral

      図表1 糸島市項目別入込客数割合(2018年)

      先ほど申し上げたとおり、食の中身も多様で、野菜や魚類など様々な品種のものが糸島で生産・漁獲されています。バーベキューを行う場合も、大概のものが糸島産で揃えられます。柑橘類も種類が豊富で、20種類以上になるかもしれません。加工品も、畜産は全て生産者が加工まで行っており、乳製品からハム、ソーセージまで取り揃えることができます。調味料についても、塩はもちろん、お酒や醤油などもこだわりがみられます。
       ガストロノミーツーリズムの考え方については、研究者の中ではフードツーリズム(生産物、飲食物)やカリナリーツーリズム(料理、調理)と分けて考える人もいます。その場合、ガストロノミーツーリズムの特色は、食文化やローカル性(地域性)になると思います。

      carbon-neutral

      図表2 ガストロノミーツーリズムの考え方
      資料:尾家建生(2017)「ガストロノミーを基本概念とするフードツーリズム開発の研究」より転載

      一方で、糸島は歴史や伝統という部分での食、食文化といった点が弱いと言えます。「そうめんちり」といった地域の伝統食などはあるのですが、これらは地元でしか食べられておらず、観光客には知られていないというのが実情です。では何が支持されているかと言えば、やはり素材の多様性、そして地域性です。海岸の風景や地域住民の人柄、距離の近さも魅力と言えます。
       

    7. 糸島の魅力発信及び発展プロセス
    8. 糸島市の観光入込客数の推移を見ますと、観光客数が増え始めたのは実は1995年以降と最近のことです。それまでは観光客はそれほどおらず、どちらかというと海水浴のために夏場だけ訪れる場所だと福岡市民に認識されていました。全国に知られるようになったのは2013年頃のことです。そうはいっても福岡県内の人が8割を占めているので、やはり福岡市など近隣からのレジャー目的(海水浴や釣りなど)という形は変わっていないように思います。1990年頃まではガストロノミー目的のお客様はほとんどみられませんでした。

      carbon-neutral

      図表3 糸島市の観光入込客数の推移
      資料:福岡県入込客推計調査(1976-2017)より本田氏作成

      この状況が変わったきっかけは、1985年に発生したウンカ*)による稲作への大被害です。当時、糸島の稲作では農薬が使われていましたが、全体の3割程度も影響を受けました。一方、隣の福岡市は減農薬に取り組んでいたのですが、ウンカによる被害は0.3%にとどまりました。この状況を受けて、糸島でも減農薬に取り組むこととなりました。生産者の方々は勉強会やセミナーを開催し、「虫見板(むしみばん)」を使って農薬を散布するかどうかを自分自身で判断するようになりました。さらに、生産者はアイガモ農法を取り入れたり、古代米を品種改良した赤米・黒米の栽培を行ったり、有機栽培を取り入れたり、雑草と野菜の区別がつかないような耕さない野菜づくり(自然農)を実践したりしました。このような農業の多様性も、糸島で育まれています。
      *) ウンカ(イネウンカ類)は、イネの収穫に大きな被害をおよぼしたり、イネのウイルス病を媒介したりする昆虫(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構ホームページより)

      これと並行する形で、1980年代後半に朝市・夕市が始まりました。生産者が直接消費者の方に野菜や魚などを販売するもので、1990年代には10箇所以上に拡大しました。このような場所で生産者と消費者が直接つながりを持ち、消費者のニーズを聞いたりライバル関係の生産者同士が協力しあったりするような関係性が構築されていきました。この朝市・夕市の取り組みをきっかけに、生産者がさらに進化を遂げ、例えば朝市に出荷していた畜産農家が自分で直売所を立ち上げ、さらにはレストランや市民農園なども手掛けています。また、朝市・夕市に牡蠣を販売していたある事業者は、お客様から「牡蠣を焼いて食べさせてほしい」との声をもとに、ビニールハウスを建てて焼き牡蠣の提供を始めました。今でもこのスタイルの牡蠣小屋が糸島に30店近くに増えました。このように、朝市・夕市をきっかけとしたいろいろな取り組みが糸島で生まれています。
       もう一つ特筆すべきこととして、糸島の生産者は環境保全の取り組みにも非常に熱心であることが挙げられます。先ほど減農薬についてご紹介いたしましたが、漁業では海岸に辿り着く多くのゴミを除去する清掃活動をされていたり、海洋資源を守ることを目的に栄養分を森に戻すための植林活動をされていたりします。これらの活動は漁協が率先して行っています。このように、糸島では早くから環境保全活動に熱心に取り組んでいます。
       最後に、糸島がどのようにして全国にその名が知れ渡っていったのかについてご紹介いたします。きっかけは、フリーランスのライターの吉村真理子さんが書かれた『採れたて、糸島』という本が2011年に出版されたことです。こだわりや取り組み内容をまとめたこの本をきっかけに、女性向けの雑誌『家庭画報』が糸島の特集を組みました。約6ページにわたり、糸島の食材の魅力が紹介されています。その後、糸島市が主体となり、2013年1月に東京・銀座で「糸島マルシェ」を実施し、糸島のいろいろな食材を売りました。これをきっかけに、東京都内の他の場所でのマルシェへの参加依頼が来たり、全国のメディアからの取材を受けたりするようになりました。
       糸島のガストロノミーツーリズムの構造を改めて整理しますと、農業・漁業などの生産者が強固な基盤となり、多種多様の食材が存在しているというのが糸島の強みであり特色であると言えます。そこから生産者自身が消費者のニーズや生産者同士の取り組みを知るという流れができ、徐々に生産者自身で加工や飲食販売などへの事業展開を行うようになっていきました。そして塩づくりについても、塩プリンや加工品、レストラン・飲食店の取り組みなどをされています。このように、生産者が実際に自分たちでどんどん業態を変えながら取り組んでいるというのが、糸島の特徴であると言えます。

      carbon-neutral

      図表4 糸島のガストロノミーツーリズムの構造
      資料:本田氏作成


       

    9. 塩づくりを起点とした様々な食の提供や取り組み
    10. 私(平川 秀一 氏)は、約22年前から、糸島の西の先端で海水を汲み上げて製塩を行っています。塩は当たり前にありすぎて、価値としては非常に低いものだったのですが、そのような価値の低いものをどうやって高めていくか、まずはそこに注目しました。製塩を行う建物がどのようなものなのか興味を持ってもらい、どういった工程を経て海水から塩を得るのかということを解説しながら理解していただき、最終的に塩を買ってもらうという流れを作りました。ただし、塩の価値が低いままだと販売価格も上がらないので、それに付加価値をつけていくことを目指し、レストラン業態を始めました。また、塩を絡めた様々な商品を作ることで、認知度向上を図りました。具体的には、10年ほど前にスイーツに塩かけて食べるいわゆる「塩プリン」という商品を発売したところ、海が見える場所でそのプリンを食べられるということで、幅広い年齢層のお客様が各地から来られるようになりました。

      carbon-neutral

      写真1 製塩所の全景/提供:平川氏

      食事処としては、製塩所から20分程度山手にあるところに「ごはんやイタル」を運営しています。築約130年の建物をリフォームしており、塩を楽しんでいただく場所となっています。近隣からいただいた無農薬のお米を羽釜で炊き、塩むすびの形で提供しています。やはり日本人なので、塩をストレートに楽しむにはおむすびが一番分かりやすいと思います。
       また、駅のすぐそばに塩そば屋「おしのちいたま」を設けています。塩そばと言うよりも、塩ラーメンですね。塩の味を最大限に生かすようなスープとなっています。鳥をベースとしつつ、海鮮の出汁と野菜の出汁を使ってかなりあっさりめに仕上げています。塩加減はそれぞれ好みがあるので、お好きな塩味で食べていただいています。

      carbon-neutral

      写真2 ごはんやイタル/提供:平川氏

      carbon-neutral

      写真3 おしのちいたま/提供:平川氏

      このような街外れの場所ですが、年間20万人程度のお客様にご利用いただいています。週末に多くのお客様がいらっしゃいますが、平日はゆっくりとされたい方がお越しになられます。プリンを買う人と塩を買う人の割合については、7割以上がプリンを買う人となっています。商品が塩なので、年齢の高い方も遠方からわざわざ買いに来ていただいています。
       最後に、ウニの養殖についてご説明いたします。20年にわたり海の横で製塩を行っていると、やはりその海の状況の変化を身近に感じます。磯焼けや気候変動による海水温の上昇などの海の変化を感じると、僕らに何ができるのか考えてしまいます。ウニは海藻類を食い荒らすため、ウニが繁殖すると海藻類が減ってしまい、海藻に卵を産む小魚などが減少してしまいます。その一方で、捕獲したウニを割ってみると、実が入っていないという状態で、このままでは使いものになりません。そこで、ウニを商品化できないかと考え、陸上で養畜することにしました。まだ実験段階ですが、このウニが商品化(おにぎりに乗せるなど)につながれば、漁師さんたちにも還元でき、また海の環境も維持できるようになると考えています。
       

    11. まとめ
    12. 糸島のガストロノミーについてまとめますと、糸島は地域性が売りだと思います。自然風景はもちろんいいのですが、特に私が言いたいのは、生産者の取り組み姿勢こそが糸島の地域性ではないかということです。最初にお話ししましたように、減農薬・無農薬や自家飼料など品質・安全性にこだわるのは当然ですが、2番目にある新品種栽培や加工品づくり、業態変更などの新しいチャレンジを生産者がされているという点が特徴的と言えます。さらに3番目の環境保全では、自然環境への配慮や保全への取り組みについても、生産者がとても熱心に行っています。これらの取り組みが、結果的に糸島の食の魅力につながっているのではないかと思います。

    carbon-neutral

    図表5 糸島のガストロノミー
    資料:本田氏作成