【くさっても新人類?】 -海外ショッピング動向(1)

かつて「新人類」と呼ばれバブル時代の消費や旅行の分野で市場の注目を浴びた世代もすでに40代。今、再び海外旅行や海外でのショッピングで彼ら「新人類」の動きに注目が集まっている。

早野 陽子

早野 陽子 主任研究員

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2007年の日本人出国者数は、2000年に海外旅行者数のピークを迎えて以来、3度目の減少となった。さらには、2008年も2007年と同様に燃油サーチャージの値上げや、ユーロなど日本人旅行者に人気の国々の通貨に対し円安傾向が続いていること、航空会社のビジネス路線重視によるレジャー路線の座席供給数の減少など、日本人の海外旅行マーケットにとって、厳しい状況が続くことが予想されている。

しかし性年齢別に出国者数を紐といてみると、全てのセグメントが停滞しているわけではなく、活発に動いている層もあることに気づく。人口増の要因が大きい60歳以上は別としても、20~30代と50代がほぼ全ての月において対前年比減であるのとは対照的に、19歳以下と40代では増加している月が多く見られるのだ。

2007年に海外旅行をした人々を対象として2008年1月にJTMが行った「海外ショッピング動向調査」の中で「旅行中の消費額が多い」セグメントを見てみると、40代の男女や18歳以下の子供との家族旅行での消費額が大きく、面白いことに、出国者数の伸び率が大きい層と完全に一致した結果となった。

この停滞した環境下で、なぜこの年代だけ動きがよいのだろうか。ひとつには、働き盛りの40代は海外出張に行く機会も多いことから、海外で土産物などを購入する場面も多い、という相関関係が考えられる。もうひとつ考えられることは、彼らはバブル以降の大きな社会や労働環境の変化の挟間を上手にすり抜けてきた世代だということだ。バブル期の売り手市場で就職した彼らは、比較的有利な条件で職を手にした。また、その後のバブル崩壊による大規模な構造改革の時期には、年齢的にまだ給料が上がりきっていなかったこともあり、主なリストラの対象とはならずにすんだ。そのようなことから、現在の不安定な社会状況の中にあっても比較的経済的な基盤がしっかりしており、家族で様々な消費活動を行っているのではないか。

このところ中国や韓国からのアウトバウンド旅行者の伸長に押され気味な日本人海外旅行者ではあるが、バブル時代には「新人類」と呼ばれて消費をけん引していたこのセグメントを確実に取り込むことができれば、ビジネスの成功に繋がる可能性がある。
(次号、40代の海外ショッピング行動の詳細に続きます)

 

月別出国者数の伸び率(2007/2006)

月別出国者数の伸び率(2007/2006)

性年齢別海外旅行での買い物額

性年齢別海外旅行での買い物額

旅行の同行者別 買い物額全体の平均

旅行の同行者別 買い物額全体の平均